自身のスキルを高めることが一番の安定という考えからベンチャー企業に就職したいという方は増加傾向にあります。学生のときの私もその内の1人でした。
ベンチャーというワードから華やかな毎日を勝手に想像していましたが、日中は同業他社50件に飛び込み営業をし、夜は遅くまで個人宅へテレアポをするという泥臭い毎日をすごしていました。
毎日午前様で休みなしは当たり前。そうやって1年間勤めていました。その後、嘘の退職理由で辞めてからは人材系企業に5年間勤め、現在はWebデザイナーをしています。
この記事を見ているあなたも「新卒で入った会社をたった1年で辞めても転職先は見つからないんじゃないか。」と当時の私と同じように悩んでいませんか。逃げ出したいけど逃げ出すことができない状況は本当に辛いですよね。
そんなあなたに私の転職体験が少しでも参考になってくれればと思います。
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新卒で不動産系ベンチャー企業を辞めたくなった理由
労働時間が長いうえサービス残業
ベンチャー企業は社長がつい最近までプレイヤーだったことほとんどで、自身が起業するまでの過程の働き方や仕事哲学を自社の社員に落とし込もうという方が多いと思います。
「起業するまでは毎日仕事ばかりで休むことはなかった」「一時期はご飯を買うお金もなく、本当に辛いことがあったけど、それを経験したから今の自分がいる」
など当時の苦労話を聞かされ、その時と同じように働くよう仕向けてきます。
また、営業職という職種上、クライアントの予定に合わせることは当たり前でしたが、不動産業界の場合はそれが大変でした。
私は資産家を対象に投資用のマンションの売買営業をしていました。資産家の方は社長さんや医師、士業の方などの忙しい方が多く、日中はなかなかアポイントをとることができませんでした。
希望条件のヒアリングや提案をするのは夜の8時以降であることがほとんどでした。クライアントとのアポが終わった後に事務作業をしていたため、帰宅時間はとても遅くなります。
当時は会社が借り上げていた寮が会社の徒歩圏内にあったため終電を理由に帰ることもできず、家に着くのは基本的には1時過ぎでした。
教育体制がない
普通の会社であれば新卒を採用した際には名刺交換のしかたや電話の取り方などのビジネスマナー研修、自社商材や業界に関する研修があります。しかし、設立して間もないベンチャー企業ではそういった教育プログラムができていないことがあります。
また、社員教育の優先順位がとても低くなってしまいがちです。
私が入社した会社での初日は研修のはずでしたが、教育担当の方がクライアントとのアポが入ってしまったとういうこともあり、社長が書いた本をひたすら読んでいました。
その次の日に教育担当の方から、「本は読み終わったよね?じゃあ業務を始めようか」と言われ、会社のパンフレットと名刺、営業エリアの書かれた紙を渡され、同業他社に飛び込み営業をするよういわれました。
本は読んだけれど、それだけで全て理解できていないし、ましてや飛び込み営業の方法すらわからない状況でいきなりやれと言われてもできる気がしませんでした。
コンプライアンス意識がない
ここ数年は各企業のコンプライアンス意識が高くなり、法律を守ろうという意識がトップダウンで浸透していると思いますが、ベンチャー企業は対象外だと思います。
不動産はその商材の性質上、業務を遂行する際に知識として必要な法律がとても多いです。宅地建物取引業法をはじめ、借地借家法や建築基準法、さらには担当エリアの条例など幅広い知識が必要です。それを守らないと契約後に揉めることが非常に多いです。さらには
クライアントとも億単位の取引をするため法律遵守に関しては敏感すぎるくらいが丁度良い業種です。
ですが、ベンチャー企業の場合は法律のラインを超えて業務をすることもあります。みなさんがよく目にする電柱に貼ってあるマンションの案内ですが、あれは「捨て看」というものです。
不動産の売買営業をする営業マンが夜な夜なこそこそ貼っているものですが、あれは違法です。私もよく貼らされましたが、法律違反だと知り、社長にそのことを告げると、「あれを貼るのはスリリングだよな。バレないようにやれよ。捕まっても会社の指示だとは言うな」と言われました。
先輩の営業の方に相談すると「マンションの内見はイベントだから、祭りの提灯のように貼れ」と言われました。もう誰も信じることはできませんよね。
このような捕まるかどうかの業務をやることがチャレンジと見なされ、それを称える風潮が社内にありました。中学生のときに悪いことをする人はかっこいいという風潮があったのはみなさんなんとなくわかるかとは思いますが、私がいた会社ではいい大人が集まったにも関わらず、その風潮がありました。
反社会組織とのつながり
私は不動産関係だったので、反社会的組織との繋がりは気にしていました。入社の際に確認し、繋がりはないと確認しましたが、結局はありました。
私がいた会社は都内でもステータスの高い方が好む地域で事業をしていて、マンションを建てるための土地が絶対的に足りませんでした。そのため、昔からあるようなアパートに対して地上げ行為を裏でしていました。
反社会勢力にお金をつかませ、アパートの住人を追い出し、高級マンションを建てるためです。日本では賃貸であっても法律上、借りている側の権力が強いため、長い間住んでいる人を追い出すのは困難です。
では、土地が出てくるのを待っているかといえばそんなことはありません。そういった情報は大手企業が独占してしまうため、設立して間もないベンチャー企業では出遅れてしまいます。
大手企業に先を越されずに、良質な土地を手に入れるためには地上げが手っ取り早いです。もちろん、法律やコンプライアンス上はやってはいけないことです。
私が反社会組織との繋がりを知ったのは入社して半年が経った頃でした。業務になんとかついていくことができるようになった時期で、社長から会食の誘いがありました。
そして、それについていくと明らかにそっちの筋の方のような方々がいらっしゃいました。後々、社長に確認したところ、反社会組織の方だということが判明しました。
様々なサービスが飽和状態の日本で急成長した企業には裏があると考えても間違いじゃありません。
新卒でベンチャーを辞めて人材派遣の営業職へ転職した理由
私にとっては初めて就職した企業が上記のような会社だったので、この会社の営業というより、営業職というものはこんなに辛いものなのかと思ってしまいました。
そしてたった1年で辞めてしまい、特別な資格もないので、もう一生正社員にはなれないのではと考えてしまい、派遣社員として工場で働くことにしました。そしてそこからキャリアアップして派遣会社の営業職になりました。
また、以下の気持ちが再度営業職をしてみようという思いを後押ししてくれました。
- 自分と似たような経験をした人の力になりたかった
- 営業職に再度チャレンジしたかった
- 大手企業で営業職をしてみたかった
今の日本では短期離職をした方に対する評価は理由は何であれ低くなってしまいがちです。
家庭の事情や会社が倒産したなどのやむを得ずに短期で退職したけれども、その後の転職活動はうまくいかなかったという方は多いのではないでしょうか。
派遣社員として働いていたときにはこのような方は多くいましたが、とても優秀な方が多かったと思います。そのような方のためにも働きやすい環境をつくっていきたい。
そしていつかは派遣社員ではなく、派遣先の正社員になれるようにサポートしていきたいという気持ちから人材派遣の営業職にチャレンジしました。
また、大手の派遣会社でコンプライアンスが整っていたため、安心してチャレンジすることができました。
新卒でベンチャー企業を辞めてOKな人、NGな人
退職を決意する前に、必ず自身の理想とする仕事観について考えてみてください。仕事だけの人生か、ワークライフバランスを大事にしたいかで、辞めるべきかやめるべきでないかの選択が変わってきます。
辞めてはいけない人
- 起業を目指している人
- 仕事が生きがいの人
- 若くして高収入を目指したい人
ベンチャー企業に入社するということは、いわゆる一般的な企業での働き方とは異なってきます。定時や休日という概念がなく、毎日仕事に追われます。
毎日仕事に追われる人生ですが、趣味もなく仕事が生きがいという人にはとてもマッチした環境だと言うことができますよね。大好きな仕事をすればするほど、スキルが伸びて、スキルに応じて給料が上がっていきます。
年功序列という概念がないため、結果を出せば若くして高収入を目指すこともできます。仕事が生きがいという人にとってはとても恵まれた環境だと言えるのではないでしょうか。
辞めていい人
- プライベートを大事にしたい人ト
- 仕事を生活の一部だと割り切っている人
- 他にやりたいことがある人ト
- 優しい人
上記に該当する方は辞めてもいいと思います。先にも述べましたが、ベンチャー企業では仕事漬けの毎日が待っています。プライベートの時間を充実させたいという気持ちが少しでもあるのであれば辞めるべきだと思います。
特に趣味に時間をかけたいという方にとっては、労働時間が長いというよりかは趣味に時間を費やせないことが辛いのではないでしょうか。
また、ベンチャー企業は社風が体育会系なところが非常に多いと聞きます。顧客第一とは言いつつも、強引な営業スタイルを強要してくるため、優しい方には不向きだと言います。
私がいた頃にも不器用で優しい方が何人か入社しましたが、1ヶ月でみんな辞めてしまいました。
幸いにも日本では正社員という枠組みにこだわらなければ仕事はいくらでもありますので、自身の身体や精神を壊してしまう前に上記に該当する方は辞めてもいいと思います。
ベンチャー企業からのおすすめ転職先
営業職
ベンチャー企業の素晴らしいところを一つ挙げるとすれば、成長スピードが圧倒的に早いということを挙げることができます。
入社して3ヶ月くらいの時に大手企業で営業職をしている友人と話す機会がありましたが、当時の友人は先輩と同行営業をしていて学んでいると言っていました。
私は入社して3日で単独で試行錯誤しながら営業をしていました。早くから裁量と責任を任されるのがベンチャー企業のため、そのような環境に身を置けば嫌でもスキルは身に付きますよね。
そのため、転職先での営業職としての評価は高くなると思います。
同業他社の大手企業
大手企業であれば細分化されていた業務をベンチャー企業では1人で遂行します。私がいた会社では土地の仕入れ、クライアントの獲得、折衝、法務調整などの業務を1人で行っていて、業務全体を見渡すことができました。
細分化された業務しか知らない大手の担当者では身につかない知識もあるため、大手の同業他社ではそこを強みにして転職活動ができると思います。
Webデザイナー
Web業界は環境の変化が非常に早い業界です。そこに嫌気がさして辞める方も多いですが、ベンチャー企業で得た成長スピードと忍耐力があるのであれば十分ついていくことができます。
また、Webデザイナーに一番近い職種は営業職だと言われるほど、営業職での経験はWebデザイナーでも活かすことができます。
営業職もWebデザイナーもクライアントの問題を解決するという点では同じためだと思います。
新卒でベンチャー企業から転職するときのポイント
退職理由を考える
私は退職の際に本当の理由を告げることはしませんでした。本当の理由とは仕事が辛かったことです。多分本当の理由を告げたとしても、考えが甘いと怒られていたでしょう。
速やかに退職するためには多少の嘘が必要だと思います。私は地方出身のため地元に帰らなければいけなくなったと告げて退職しました。
嘘をつくことに後ろめたさはあるかもしれませんが、速やかに穏便に退職できる方法だと思います。
退職した後のことを考える
退職をした後に何をしたいのか、どのような人生を歩みたいかをしっかりと考える必要があります。それをもとに転職先を絞っていきます。
私は特にしたいこともなく、ワークライフバランスを大事に働きたいと当時は考えていたため、派遣社員として働くことを選びました。
引継ぎの準備をする
引継ぎの準備はしっかりやりましょう。資料もこれでもかというくらい完璧に仕上げて後任の方に引き継ぐ必要があります。
ここをしっかりするしないで退職までの期間を穏便に過ごすことができるかどうかが変わってきます。手を抜いた態度で過ごしていると社内に居づらくなってしまいます。
退職日まで転職活動に専念する
有給があるのであればそれを使い転職活動に専念しましょう。できれば退職を告げる前に多くの企業に履歴書を送り、複数の面接を確定しておくと計画的に転職活動を進めることができます。
また、退職日前に転職先が決まれば、心に余裕ができて気持ちが楽になります。
まとめ
ベンチャー企業での経験は、うまく伝えることができれば転職の際にはプラスに働くことが多いです。特に早くにして大きな裁量をもって働いた経験は、多くの企業が欲しがる人材の必須スキルだと言えるでしょう。
履歴書に短い職歴が載ってしまうことを恐れている方は多いのではないでしょうか。大事なことは働いていた期間ではなく、どのような経験をしてきたか、そこから何を学んだかということです。
転職を考えているのであれば、自身の経験を棚卸しすることをおすすめします。それと同時に将来どのような人生を歩んでいきたいかを明確にすることも必要になるでしょう。
まずはそれらを紙に書き出してみてください。そうすれば次に何をすべきかが見えてくるはずです。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし今の仕事に不満があるなら、ミイダスを使い転職できるかを確かめてください。
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