専門的な知識を活かして人の役に立ちたい。何か資格を取得して生涯安定して働きたい。私はそう思って薬剤師を目指しました。同じような理由で薬剤師になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
薬剤師は医療職の中でも病院、調剤薬局、ドラッグストア、製薬企業、公務員など、同じ資格でも様々な職場がありますよね。その中でも私はまず調剤薬局に就職しました。
在学中の実務実習でも調剤薬局業務は経験したため、あまり不安はありませんでした。しかし、実際に就職してみると想像していたのと違うことが多々ありました。そして日々勤務するのがつらくなってきて、ついには新卒で就職した会社を9か月で辞めることを決意しました。
あなたは今同じように、就職後の想像と現実の違いに悩んでこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。それと同時に、「新卒で一年も経たないうちに転職するなんてうしろめたい」ような気持ちもあるのではないでしょうか。私はそうでした。
でも今では転職を決意してよかったと思っています。
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新人で調剤薬局の薬剤師を辞めたくなった理由
希望の店舗に配属されなかった
これはチェーン店ならよくある話だと思いますが、私の場合は個人経営の調剤薬局でした。もともと自宅近くの店舗の求人を見て応募し、そこで面接を受けて採用されました。
しかし実際に配属された店舗は通勤に一時間近くかかり、遅い日だと希望の店舗に比べて帰宅時間が一時間半ほど遅くなりました。
最初は「この店舗(実際の配属先)の方が暇だからまずはここで慣れよう」と言われ我慢していましたが、勤務して半年で事件が起きます。
新卒入社半年で管理薬剤師にされた
入社して半年、配属された店舗ではもう一名の薬剤師と二人でしたが、急遽他店舗で欠員が出たため一緒に働いていた薬剤師が異動になりました。
そこで自動的に一人になり、必然的に管理薬剤師も担うことになりました。確かに一日の処方箋応需枚数は20~30枚と少なく、一人でこなせない量ではありませんでしたが、常識的に考えて新卒で一人・管理薬剤師はありえないことです。
それでも欠員ならしょうがないと思い引き受けました。
会社への不信感が募った
管理薬剤師になることが決まってから門前の先生とお会いする機会があり、そこで管理薬剤師になったことを報告しました。すると、「そうなんですね。開局前からその予定だと伺ってました。」と返ってきたではないですか。
実はこの薬局は私が入社する三か月前に新規オープンしたばかりだったのですが、「開局前から」とは私が入社する前、かつ欠員が出る前です。
つまり最初から欠員が出ようが出まいがここの管理薬剤師にするつもりであり、「まずはここで慣れよう」という言葉も全くの嘘だったのです。これが転職を決意した瞬間でした。
やりがいを感じない
門前は呼吸器内科だったので、ほとんどが喘息と風邪の患者さんで、処方は非常に偏っていました。入社して半年もすると投薬には慣れを通り越して飽きを感じ始めていました。
また、処方箋枚数も少ないので暇を持て余し精力的に仕事に取り組めなくなっていました。
偏った科目しか経験していないことに不安を感じた
おかげさまで吸入器の説明はプロになりましたが、そのほかの薬については投薬できないに等しく、今後の転職で困ることが容易に予想できました。
おまけに一人薬剤師で教育してくれる人もいない環境だったので、転職するならまだ若くて教育してもらえるうちの方がいいと判断し、就職して一年未満での転職に踏み切りました。
私が新卒1年目で正社員の薬剤師を退職しパート薬剤師へと転職した理由
- 総合科目を経験したい
- 希望の曜日・時間帯で働ける
- 管理職にされる可能性が低い
- 辞めたくなったら辞めやすい
まずは総合科目を経験したかったので、転職先は総合病院の門前薬局にしました。しかし、総合病院の門前となると休日当番があり、ワークライフバランスを保つのが難しく感じたため、希望の曜日・時間帯で働けるパートにしました。
管理薬剤師でいたのは短い間でしたが、その間に個別指導が入ったり、厚生局関連の業務も経験しました。
正直もうやりたくないという思いでいっぱいだったので、将来的にも管理職にはならないパートが安心して働けると思いました。一度転職を経験すると次も辞めたくなったらどうしよう、と考えることがあると思います。
パートの場合はそもそも職場の人も永遠にいるとは思ってないので、万が一すぐ辞めたくなっても正社員より言い出しやすいと思います。
新人で薬剤師を辞めてOKな人、NGな人
転職歴は履歴書に記載する必要があるため、その後の転職活動にも影響してきます。理由がはっきりしない、または自己中心的な理由で転職を繰り返すとマイナスな印象を与え、就職が難しくなります。
そのため、次の転職以降のことも考えて転職するかどうかを決めましょう。
辞めてはいけない人
- 転職理由が待遇だけの場合
- 給料がたくさん欲しい人
- 人間関係で問題を抱えていない人
転職理由が病気やハラスメントなど致し方ない場合を除き、新卒での転職は基本的にあまり印象はよくありません。
給料や勤務場所などだけが転職理由の場合、まずは現職に異動など改善案を提示し、それでも解決しないなら最低一年勤めてからやめましょう。辞めるまでの期間や経緯がしっかりしていないと次の職場を探すときの面接で困ります。
即戦力にならない新卒の転職では昇給は期待できません。稼ぎたい場合は今の職場で十分な即戦力となるようなスキルを得てから転職を検討しましょう。
人間関係のトラブルは精神的にも肉体的にもかなり負担がかかると思います。逆にここに問題を抱えていない場合、まだ頑張る余地があるのではないでしょうか。
なのでいずれ辞めるにしても今すぐではなく、数年勤めてからの方がいい案件が見つかるのではないかと思います。
辞めていい人
- 給料にこだわりがない
- 自分の時間を大切にしたい
- やりがいを求めている
- 現在の職場のスタッフの数がギリギリ
- 人間関係に悩んでいる
違う業種に転職するにしろ、雇用形態を変えるにしろ、新卒で経験の浅い身では給料アップの転職は難しいと思います。むしろ下がる可能性もあるので、それでもいいという方は転職を検討していいと思います。
調剤薬局では正社員になるとどうしても土曜日出勤は避けられず、場合によっては日曜日や祝日の出勤があります。勤務形態に不満があり、それが解決できずストレスを感じている場合はより満足できる環境を探すのもいいでしょう。
スタッフの人数が少ないと休みがとりにくく、急病でも帰れなかったりとなにかとストレスが溜まります。人手不足ゆえに辞めにくいという気持ちも分かりますが、人手不足はあなたのせいではありません。
会社の責任です。なので思い切って辞めましょう。
また、職場の人間のせいで毎朝の出勤が嫌に感じるなら辞めていいと思います。特にハラスメントを受けている場合は自分の身を守るためにもすぐ辞めましょう。
次の職場の人間関係がいいかはわかりませんが、面接時の見学などでも多少はわかると思うので、ここならやっていけそう、と思えるところに決めましょう。
不安があれば最初はパートなどで就職し、のちに正社員に昇格してもらえないか相談してみるのも一つの手です。
薬剤師からのおすすめ転職先
調剤薬局薬剤師(パート)
勤務形態に不満がある場合はこれが一番おすすめだと思います。調剤薬局である限り、通常の勤務形態(土日祝休みなど)は正社員では無理だと思います。
調剤薬局業務自体に不満がなく、給料へのこだわりがない場合はパートが一番適しているのではないでしょうか。また、勤務時間は正社員ほどではないが多少譲歩できる場合は準社員という枠を設けている場所を探すのもありだと思います。
派遣に関しては高時給ですが即戦力として期待されるため新卒からの転職はまず厳しいと考えてもらっていいでしょう。
ドラッグストアの薬剤師
やりがいを感じていない方にはおすすめします。調剤をやりたい方は調剤併設でもいいですし、やりたくない方はOTC専門でやってもいいと思います。
OTCなら自分でお客様に薬を提案することができますし、レジや品出しをはじめとした雑務があるので、調剤のような単調な作業が苦手な方にはおすすめです。
大手なら研修制度もしっかりしているところが多いので、覚えるのは大変ですが、教育されなくて困るということもないと思います。
また勤務時間は長くなりますが、給料もいいのでやりがい・給料を求める方にはあっていると言えます。
病院薬剤師
薬剤師としてのスキルアップを求めるなら病院が一番だと思います。調剤薬局よりも取り扱い品目が多く、点滴をはじめとした一般的に薬局で取り扱わない薬剤の調剤もできます。
また、多職種との連携が求められるため、コミュニケーション能力が養えます。基本的に土日休みですが休日当番が回ってくることが考えられ、夜勤も定期的にあります。
わりに給料はそんなに高くない場合が多いため、本当に薬剤師として成長したい方におすすめします。
新卒で薬剤師から転職するときのポイント
求人を探す
まずは今自分が求めている条件の求人があるか探します。この時点では転職サイトにはまだ登録しなくて大丈夫です。登録しなくても求人の検索ができますので、複数サイトを使用して求人を検索します。
このときの条件設定はしっかりと設定してください。なんとなく新卒で転職することへの罪悪感から最初から条件を妥協してしまいがちですが、妥協すると結局不満が出てきます。妥協は後からでもできるので、まずは自分が希望する条件で探しましょう。
また、一つの職場が複数の転職サイトで応募をかけている場合があります。同じ場所かもしれないと思ったら両サイトの募集要項が同じか確認しましょう。サイトによって少し条件が違う場合があります。
転職サイトに登録し、選考を進める
興味のある求人を見つけたらその求人を扱っている求人サイトに登録しましょう。私は最初に薬キャリに登録しました。そこのコンサルタントの方に現在の状況や希望条件などを話し、アドバイスをもらいます。
コンサルタントによって考え方も違うので、複数の転職サイトに登録して何人かのお話しを聞くのをおすすめします。
薬キャリではまだ経験が浅く、色々と教えてもらう必要もあるので正社員での転職をおすすめされました。最初は納得して正社員で探していましたが、やはり条件に一致する案件がなく、他のサイトでも探し始めました。
そこで転職ゴリ薬で希望の求人を見つけ、登録しました。残念ながら希望の求人はすでに募集を終了していましたが、そこのコンサルタントの方に紹介された別の案件で選考を進め、内定し就職を決めました。
コンサルタントを頼ろう
次の職場が決まったら次は退職交渉です。新卒の方は一年も経たないうちに急に辞めるなんて怒られるんじゃないんじゃないか、根性がないと思われるんじゃないか、など様々な不安を抱えていると思います。
まずは第一に、退職するという強い意志を持つことが大切です。怒られようが引き止められようが、「退職する」という強い意志があれば辞められます。次に、雇用契約書を確認しましょう。
そこに「退職を希望する場合は〇か月前までに申し出」などの記載があるはずです。ここで注意したいのは、「口頭での申し出」でいいのか、「退職願」の提出なのか、「退職届」の提出なのかです。
ここをきっちり守ることで円満退職に繋がります。また、口頭でよくともメールなど文章にも残しておきましょう。それでも受理してもらえない場合、法的措置をとることができます。
労働基準法では、「雇用期間の定めがない時には、いつでも解約の申し入れから2週間経過すると終了する」とされてます。つまり退職したい意志を伝えてから2週間後に出勤しなければ自動的に契約は終了するのです。
また、退職希望者を無理に引き止めるのは「職業選択の自由」にも反することになりますから、引き止められた場合、「受理していただけないなら労働基準監督署に相談します」と伝えると一気に交渉が進んだりします。
以上は私自身がコンサルタントの方にしていただいたアドバイスです。実際私も引き止めにあいましたが、上記のように伝えたところ希望日での退職に成功しました。
有給消化などについてもコンサルタントの方がアドバイスをくれると思います。新卒で知識のない身では限界があるので、プロを頼りましょう。
まとめ
転職というのはリスクを伴いますから、悩んで当然だと思います。働くのは他ならぬあなた自身です。家族や周りの人になんと言われようが、あなたの気持ちはあなたにしか分かりません。
社会人として自分の決断に責任と自信を持って行動してみて下さい。日本では昔から「最初に就職した会社に最後まで勤め上げるのが美徳」のような価値観があると思います。
なので転職に対してマイナスなイメージを持っている方もいるでしょう。しかし、私の大学の先生は、「転職しない人はできない人。能力がないから今の職場で年功序列で昇進するしかない。」とおっしゃっていました。
転職とは自分の生活を改善するためにするものだと思います。それは給料だったり、人間関係だったり、やりがいだったり人それぞれですが、改善したいという思いは決してネガティブなものではないのです。
ぜひ自分の決断に自信を持ってよりよい環境を手に入れて下さい。
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