あなたは、なぜこの医療の世界に入ってきましたか?私は、「人のためになる仕事をしたい」、「資格を活かした仕事をしたい」、そう思い、医療職への道を志しました。
そんな、医療職の中でも看護師は、医師の右腕として動くだけではなく、時には患者さんへのケアを独自に行う。今や看護師は、専門職としての立場が確率されており、医療の世界ではなくてはならない存在です。
私は、大学卒業後3年間急性期の病院で看護師として働いていました。そして、今は保健師として別の病院で働いています。
もしかすると、この記事を開いてくださったあなたも、かつての私のように「もう看護師を辞めたい」、「転職をしたい」と思っておられるのではないでしょうか?そんなあなたに、私の転職経験をお伝えしますので、少しでも参考になればと思います。
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新卒で急性期病院の看護師を辞めたくなった理由
専門知識・技術多さについていけない
看護師は、医療の専門職です。医療・看護の専門知識や技術を活用し、他職種協働で質の高いサービスを提供することが、今の医療界では求められています。
医師と患者さん、コメディカルスタッフと患者さん、時には医師とコメディカルといった連携の橋渡し役になることもよくあります。
したがって、特に急性期の病院の看護師には、医療の難しい専門知識はもちろんですが、薬の知識、介護の知識、他の職種の様々な専門的な知識が求められます。
私も、日々の業務をこなしながら、休み返上で研修に出て自己研鑽にとりくんでいました(私の病院では、研修は出勤扱いにならず、休みの日に自分で行く決まりでした。
人手不足による過重労働
昨今、企業では人手不足が深刻な問題になっていますね。医療業界も例外ではなく、看護師の人材不足は深刻です。
私がいた急性期病院でも、募集をかけてもなかなか人が集まらない、入職者がいてもその分辞めていく人もいるので、結局人数は変わらないという状況でした。
そうすると、看護師1人にかかる業務量は必然と多くなります。私以外の看護師からも「業務の量が多い」、「残業が多い」、「休めない」、このような声が多く聞かれていました。
医療事故が怖い
看護師の業務には医療行為も含まれています。急性期の病院であれば、その特性上、医療行為は多くなります。
注射、マーゲンチューブ挿入、投薬。特に投薬は、間違った薬を投与すれば、患者に深刻な影響を与える可能性があります。患者の命に関わる仕事なので、とても責任のある仕事です。
あなたも、この仕事をしている自分に誇りをもちましょう。
しかし、それ故に、逆に「失敗したらどうしよう」、「患者さんに何かあったらどうしよう」と、大きなプレッシャーがかかり、ストレスになってしまいます。
私も一度医療事故を起こしたことがあります(患者さんには影響はなかったのですが)。それ以来、私はまたミスをするのではないかと不安に思い、仕事が怖くなりました。
家庭との両立が難しい
私の家庭は共働きであり、私と妻で、家事は分担して行っていました。
しかし、子どもがいないときはまだ良かったのですが、子どもが生まれると、生活リズムは一変、子どもの生活リズムに合わせる生活になります。
さらに、子どもは体調を崩しやすく、保育園から呼び出しがあることもよくあります。
そんな時に、私も妻もなかなか仕事を途中で抜けることができないし、子どもを病院に連れて行くため、仕事を休まなければいけないとなっても、ただでさえ少ない人数の現場から抜けるのはとても勇気がいりました。
人間関係がギクシャクしている
私が勤めていた病院でも、辞めていく人の中で、人間関係で辞めていく人は多かったです。
特に新人看護師で、数カ月から一年で辞めていく人は、「先輩看護師の指導に耐えられない」、「人間関係に馴染めない」などの理由で、辞めていく人がほとんどでした。
人の命に関わる仕事、他の人にかまっている暇もないくらい忙しい現場、女性が多い特有な職場の雰囲気、様々な要因があるとは思いますが、やはり看護師の職場は少し独特な雰囲気があると感じます。
私も、1年目は何度も仕事を辞めようと思い、常にカバンの中に「退職願」を入れていました。
新人で辞めずに3年働き、保健師へと転職した理由
私は看護師として3年働き、保健師として7年働き現在に至ります。どうして、このような経歴になったのか簡単にまとめると以下のようになります。
1年目の苦難
私が勤めて4ヵ月目に、私は一度「退職願」を上司に提出しました。そして、私は上司に説得されて、仕事を辞めるのを思いとどまったのです。
そう言うと、なんだかいい上司のように聞こえるかもしれませんが、実は上司に退職願を提出しても受理されなかったのです。半分怒られながら引き止められました。
退職届を無理やり出すという方法や、どこか第3機関に相談するという考えは、当時の私では思いつきませんでした。
しかし、そのような中で毎日嫌々ながらも、どんなに苦しくても、辛酸を舐めながら地道に仕事をこなしていくと、やはりある程度仕事はできるようになってくるのです。
一年経つ頃には、ある程度独立して仕事ができるようになっていました。そうすると周りの看護師の私に対する反応も柔らかくなってきました。
さらに、後輩も入ってきますし、人事異動で人も何人かは変わります。職場の環境が変化したのです。
2年目の変化
ある程度仕事ができるようになり、周りの人から信頼を得ると、だんだん仕事が楽しくなってきます。仕事自体は忙しく、残業も変わらず多いですが、自分でやり切るという達成感がありました。
そして、職場の看護師のメンバーも明るい人が多く、「皆で頑張ろう」という雰囲気の職場になっていたので、非常に居心地が良かったです。
結婚をしてからの周りの変化
看護師3年目に、私は同じ職場の人と結婚をしました。仕事も家庭も全て、順調に行っているように思えたのですが、この結婚をしてからが、私にとって大きな転換期になりました。
結婚をしてから、周りの人の私に対する対応が変化したのです。
や、今冷静になって考えてみると、周りの人といっても、私に対してあまり良くない反応をしていたのは、たった一人の看護師だけだったと思います。
しかし、その人は上記に書いているように、共に頑張ってきた仲間でした。その仲間が、私に対して敵意をむき出しにしてくるのです。
当時の私は、それに凄いショックを受け、さらに他の人からも悪いように思われていると自分で思い込み、誰にも相談できず病院にいけなくなってしまったのです。
看護師以外の仕事を志望する
私は一度休職をして療養したのちに、心療内科に通いながら病院に復帰しました。
しかし、結局また休職し、そのまま病院を退職したのです。看護師の仕事をすると、ショックを受けた時の気持ちが、記憶が蘇り、動悸がして足が震えてしまう状態になるのです。
次の仕事を探す時には、もう看護師はできないなと思いました。
幸い、私は看護師の他に保健師の資格も持っていたので、保健師ならできるのではないかと思い、今の職場に就職したのです。
急性期病院の新人看護師を辞めてOKな人、NGな人
看護師を辞めたいという理由は様々だと思います。「仕事が自分に合わない」、「人間関係がストレス」、「家庭との両立ができない」など。
しかし、あなたのその辞めたい理由は、一時的なものではありませんか?ここで、どんな人が看護師を辞めるべきではないか、辞めるべきかを考えてみましょう。
辞めてはいけない人
- 就職1年未満の人
- 今の職場で、自分はこれを学んだということが明確に言えない人
- 人間関係で辞めたいと思っている人
もしも、上記3つのどれかに当てはまる方は、急性期病院の看護師を辞めるかどうかをもう一度考えてみて下さい。
どの仕事でも、辞めるということは重要な決断であり、そしてエネルギーを使います。
幸い、看護師は求人も多く、次の仕事を見つけるのには苦労はしないでしょう。あなたの看護師の資格は一生消えないので、それは強みだと思います。
しかし、だからこそもう一度本当に今の職場でできることはないか考えてみて下さい。
私の場合も3カ月を過ぎた時から、看護師を辞めたくてずっとモヤモヤしていました。それでも、上記に書いたように1年我慢してやり続ければ、動けるようになるのです。
自分で仕事ができるようになれば、仕事の楽しさというのもわかるようになります。
ですから、就職1年未満の人、もしくは今の職場で、何を学んだのかを明確に言えない人は、1年は今の職場で頑張ってみて欲しいと思います。
辞めていい人
- 心の病になるほど悩む人
- 慢性期、施設など違う職場の看護業務に興味のある人
- 家庭と仕事の両立のため働き方を変えたい人
上記に当てはまる人は、急性期の病院を辞めても良いと思います。
特に違う職場に興味のある人、ライフスタイルの変化のため、自分に合った職場を探すというように、ポジティブな理由であれば、次のステップとして職場を変えるのもありだと思います。
看護師の求人は多いので、様々な場所での活躍が出来ると思います。きっと、あなたに合う職場が見つかるでしょう。
そして、心の病になるほど悩んでしまう人もすぐに体調不良になった職場を辞めるのが良いと思います。看護師の仕事は、人の命に関わるため、非常に責任も重くストレスです。
また、パワハラや明らかな嫌がらせ、上司に相談しても解決できないなど、解決が困難な場合は、あなたが我慢しても損なだけです。
やはり一番大事なのは、あなたの身体です。身体を壊してまで頑張る必要はないと思います。
看護師は病んでいる人に寄り添う仕事です。まずは、あなたが健康であるために、一度職場から離れるも選択肢としてあると思います。
急性期病院の看護師からのおすすめ転職先
慢性期病院看護師
同じ看護師の仕事と言っても、職場が変われば、その内容も全然違ってくるのが看護師の仕事です。
私自身も保健師として入職した初め頃は、少し看護師の仕事も手伝っていました。
しかし、急性期と違い、プレッシャーの大きい医療行為は少なく、どちらかというと介護的な仕事が多かったです。
急性期の慌ただしい雰囲気が合わないという方は、慢性期病院の他にも施設系列(特別養護老人ホーム、グループホームなど)、訪問看護、診療所(クリニック)、行政(役場、保健所など)と看護師の資格を活かせる仕事はたくさんありますので、求人をチェックしてみてください。
介護士
看護師としての経験から、介護士として働くのもおすすめです。看護師の強みは、その専門的な知識から患者の状態を推測したり、この先どういう状態になるのかを予測できることにあります。
日々の介護の現場では、高齢者の方と接する機会が多いと思います。
介護をしながら、相手にはどんな介護をしたら良いか、もしくはどのような介護が必要になるのかを予測して動けるようになれば、介護士としては非常に強みになるでしょう。
保育士
これも実は、私は経験したことがあります。私が、仕事を退職したあとの収入源としてお世話になりました。
今、法律が変わって、ある一定の条件を満たした保育所であれば、看護師資格社を保育士としてカウントできるというルールがあるそうです。
私は、乳幼児クラスの保育をしていました。保育業務以外に看護師の経験を活かし、子どもに飲ませる薬の管理と投薬、病気の子がいればその子のお世話をするなども行っていました。
最近では、まだまだ保育関係の看護師の求人は少ないですが、病児保育をする施設も増えてきていますので、子どもが好きな人は求人をチェックしてみることをおすすめします。
新人看護師が転職するときのポイント
退職後のビジョンを明確にしよう
一度辞めたいと思ってしまうと、なかなかその思いから抜け出せないですよね?そんな時は、あなたはなぜ辞めたいのか、その理由を明確にしましょう。
私のように、ただ看護師が嫌になったので辞めたいという理由だと、上司もあなたを必死で引きとめると思います。なぜ、自分は辞めるのか、そして辞めた後に自分は何をやりたいのかという明確な理由があると、上司も納得してくれると思います。
そして、あなた自身も、次にどのような準備をするのか明確にするためにも、しっかりと考えることが大切です。
退職の希望は余裕を持って言う
いくらすぐに辞めたいと言っても、「明日から来ません」というわけにはいきません。職場の人も納得をして、あなたを見送ってくれる円満退職が望ましいでしょう。
そのためには、やはり3ヵ月~半年前には希望の退職日を上司に伝えるのが良いと思います。
そうすることで、病院側も次の人員の補充や、人事配置などを準備できるので、職場が混乱することを避けることができます。
私の場合は、病気で突然の休職からの退職だったので、非常に職場には迷惑をかけてしまったと思います(ですので、罪悪感から今でも職場の人とは会いづらいです)。
職場の混乱は、患者さんに良くない影響がありますから、やはり社会人として責任を持って仕事を全うするのが理想です。
求人募集の情報を集める
これも、できれば在職中に行うことをおすすめします。情報収集の王道はハローワークでしょうが、今はインターネットがあるので自宅にいながらでも求人は簡単に探すことができます。
看護師の転職支援サイトに登録しておけば、独自のネットワーク網で仕入れた求人情報をメールで知らせてくれたり、転職する際の仲介役も行ってくれたりするのでおすすめです。
まとめ
私自身は、急性期病院の看護師を辞めて良かったと心から思っています。おかげで、今は心身ともに健康で家族と暮らせているからです。
もしも、あなたが急性期病院の看護師を辞めたいと思っているのであれば、是非視野を広めてみて下さい。
看護師が働く場所は、何も病院の中だけではありません。働く場所が変われば、同じ看護師でも仕事内容は変わってきます。あなたに合う職場が必ずあるはずです。
私は、あなたに転職をするべきでないと言うつもりはありませんし、「今の職場で挫折するなら、また他の職場でも同じことを繰り返すよ」なんて言うつもりもありません。
なぜなら、私自身が職場を変えたら、人生が変わった体験をしているからです。私の経験が、少しでもあなたの参考になれば幸いです。
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