「人の人生を変えるような、広告を作りたい」そのような気持ちを抱いて広告業界に飛び込む方は、多いのではないでしょうか。私もその内のひとりでした。
新卒で、大手の広告代理店に入社した私が、扱っていたのは求人広告。元々人と話すことが好きだった私は、うちの会社は正社員が全員営業職からスタートするんだよといわれ、そのまま営業として5年間働きました。
ただ…人を相手にする職種だからこそ、思い通りにならないことも多く。そんな毎日に霹靂してしまい、次第に「辞めたい」と思うことも増えていきました。
もしかしたら、この記事を読んでくださっているあなたも、同じように鬱蒼とした想いを抱えているのではないでしょうか。今回は、あなたの人生に役立てばいいなと思い、私の経験談をお話します。
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新卒で広告代理店を辞めたくなった理由
労働時間が不規則で、平日の予定が入れにくい
冒頭でもお伝えした通り、人相手の仕事である営業は、クライアントの予定に合わせて動かなくてはなりません。私の勤務先は定時が18時でしたが、クライアントに来てほしいと言われれば定時以降に行くこともしばしば。
プライベートな予定を入れていても、20時に来てほしい、と言われ泣く泣く予定をキャンセルしたことも一度や二度ではありません。
また、求人広告は、人が辞めればすぐに出さねばならないので、クライアント自身もタイミングが読めません。当然、営業もいつ呼び出されるか分からないので、平日にショッピングやディナーはおろか、観たい番組を観ることさえも難しいな…とつくづく感じていました。
締め切りのプレッシャーにより、胃が痛い
広告の営業は、受注をしたら仕事終了ではありませんよね?締め切りがあるので、それを営業は守らなくてはいけない。ただ、こちらはしっかり仕事をしていても、時たま締め切り前に連絡が途絶えるクライアントもいます。
もちろんクライアントからOKを貰えなければ校了できません。私の場合、電話に出られなければわざわざ訪問し、クライアントが店に来るまで待ち続けないといけないこともありました。
そんな経験から、原稿が落ちるのではないかと日々、手に汗を握りながら仕事をしていましたね。
自分のスケジュール管理能力不足ということもありますが、猛暑や極寒の中、来るか分からない相手を待ち続けていると「どうしてこんな事をしないといけないんだろう…」と虚しくなりました。
ミスが発生しやすいため、クレームが多い
広告は、すべて同じではなく一つひとつの納品物が全てクライアントによって違います。当然ですよね。伝えたいことが、一字一句全て同じ会社なんて、この世に存在しませんから。ただ、同じものの量産物でないからこそ、ミスが発生しやすいのも確か。
一文字でも誤字脱字や間違った情報が載ってしまえば、それが命取りになります。結果、月に一度は社内でミスが起こり、謝りに行くたびに胃が痛くなる日々でした。
クライアントだけでなく、社内でのやりとりにも気を遣う
広告は営業とクライアントだけで制作するものではありません。当然、ライターやデザイナーとの連携も必要。私のいた会社では、○時までに発注を出すと▲時までにアップされる、というように発注時間が明確に決まっていました。
ただ、人を相手にしているからこそ、時にはイレギュラーのお願いをしないといけないことも。
「あなたが時間を守らないことによって、他の時間を守っている人の原稿アップが遅れるんだよ」とひどく叱られることもありましたね。
営業はクライアントと制作側のパイプ役だからこそ、自分が悪くないこともあるのに…と、もやもやすることも多々ありました。
ノルマがきついわりに、給料に反映されにくい
広告代理店は、基本的にメーカーの代理で営業活動を行うため、メーカーから降りてくる目標を達成しなくてはなりません。
最大取引先が倒産しようと、自分が体調を壊し入院しようと、営業の目標は変わりませんよね。私の場合、未達成でもペナルティは無いのですが、そういったアクシデントがあると、その月のお給料は寂しい額でした。
かつ、代理店の売り上げの何割かはメーカーの取り分になります。達成しても、入ってくるインセンティブが努力に見合う額だとは、思えませんでした。
新卒で広告代理店を退職せず5年働いた理由
- 会社の考え方が好きで、成長できる環境だった
- 人間関係が良好だった
- 休日が多かった
正直、大変なことも多く、うつ病1歩手前まで追い込まれたこともありました。それでも5年間続けたのは、営業マンとして、つまり人として大切なことを教えてもらえる環境だったからです。
例えば「アポの5分前には現地に到着する」「クレームやミスが起こったら誠意を見せるために直接謝罪に行く」など。
実績と信頼を積み上げてきた大手メーカーの代理店だからこそ、他の中小企業では徹底するのが難しい仕事の厳しさを教えてもらえました。新卒の頃の自分と比べると、確実に成長を実感できたんですよね。
また、営業職は人当たりの良い人材が集まるので、社内の人間関係はとても良好でした。悩みがあっても真剣に聞いてくれる先輩ばかりだったので、私も後輩と丁寧に向き合っていましたよ。
さらに、基本的には大手メーカーと休日が同じだったので、毎年GW、お盆、年末年始すべて7~10連休が取得できたのも大きかったです。休日にしっかりリフレッシュできたからこそ、平日の仕事が大変でも頑張れました。
新卒で広告代理店を辞めてOKな人、NGな人
広告代理店を辞めたいと思う理由は様々だと思います。ただ、辞める前にもう一度聞きたいのは、「なぜ自分はこの会社に入ったのだっけ」ということ。
特に入社したばかりだと、毎日同じことの繰り返しで、続ける意味が分からなくなることも多いと思います。
ただ、先ほども述べたように、次に勤める会社が、今よりぎくしゃくしていたり、休みが少ないということも十分ありえますよね。
広告業界を目指す学生は多く、面接を勝ち抜いてきたあなたが今の会社に決めたのには、何かしらの理由があるはず。その点も踏まえ、辞めて後悔はしないのか?もう一度、冷静になって考えることが重要ではないでしょうか。
辞めてはいけない人
- やりたいことが特にない人
- 単に辛いことから逃げたい人
- 営業成績が悪い人
もしも、上記3つのどれかに当てはまる方は、辞めた後の事をもう一度考えて見てください。
今は人材不足なので、業界を選ばなければ職に困ることはほとんどありません。営業に配属されたあなたなら、人あたりがよく可能性が高いので、いつかは転職できると思います。
ただ、楽な仕事はこの世にありません。どんな仕事も何かしら苦労があるものです。自分にとって何が辛く、どんなことであればやりたいと思うのか。またそれはなぜなのか。そこまで考えた上で決断すべきです。
例えば大手の広告代理店であれば、広告業界で実現したい夢をかなえるチャンスも溢れています。ここで諦めてしまって良いのでしょうか。また、あなたのことを気にかけてくれる先輩がいたり、大型連休がとれることは幸せなことではありませんか?
まだそれを考えるほどやりきっていないという方は、最低1年はやりきってみて、決断して良いと思いますよ。
辞めていい人
- 人間関係が悪いから辞めたい人
- 他にやりたいことができた人
- 広告を制作する側に興味が出た人
- 営業成績が良く、収入を上げたい人
- 人と話すことが大きなストレスとなる人
最終的にはご自身が判断されることですが、上記に当てはまる方は、思い切って広告代理店を辞めてしまっても良いと思います。
人の相性はありますし、辞めたくなるほど人間関係が悪い会社では、営業として大切なことを教えてもらえるとも思えません。無理に続けてメンタルが傷付いてしまっては意味がないので、職場を変えてもいいのではないでしょうか。
また、明確に次のビジョンがある方も、その仕事を未経験から始めるのであれば、早い転職に越したことはありません。
さらに、成果を出しつつさらに収入を伸ばしたいと思っている方も、代理店だとメーカーにマージンを支払わなくてはいけないので、ステップアップすることをおすすめします。結果が出せるのであれば、次の転職もスムーズでしょう。
また、人には向き不向きがあるものです。話すのが苦手でも、コツコツ事務作業をするのが得意な方もいます。「広告代理店の営業に挑戦してみたけど、やっぱり私には無理だったな」と落ち込む必要はありません。
私は、やらない後悔よりやる後悔のほうがマシだと思います。挑戦したことそのものは前向きなことですし、違う道を選ぶことは逃げではありませんよ。
広告代理店からのおすすめ転職先
MR
MRとはMedical Representativesの略、つまり医薬品の営業です。営業経験を活かせるのはもちろん、メーカーなので給料も比較的高い業界。収入を上げることが転職の理由であれば、おすすめです。
最近は医療知識がなくても中途採用しているようです。ただ、入社してからの勉強は必須なので、新しい知識を取り入れることが好きな人は特に合うかも知れません。
営業事務
人と話すことは好きだけど、ノルマや営業活動が苦手という方にはぴったりだと思います。電話応対や、営業の資料作成などがメインなので、営業の動きを知っている営業経験者は重宝され、転職しやすいでしょう。
ただし、営業事務は企業によって仕事を任せる幅が大きく異なります。社内でのコミュニケーションがメインの企業から、クライアントとのやりとりを任す企業までさまざま。
もちろんどの職種にもいえることですが、ご自身の適正に合わせて、入社前に仕事内容を念入りに確認したほうがいいかも知れませんね。
求人広告のライター
広告代理店ならではの転職先ですが、広告を売っているうちに、つくる側に興味を持つ方も出てくるのではないでしょうか?デザイナーに比べるとライター求人数はそこまで多くはありませんが、求人広告を扱う企業であれば比較的募集企業は多いと思います。
また、取材機会も多く、コミュニケーションスキルも求められる仕事なので、あなたの得意分野を生かせるはず。文章を書くことが苦にならないのであれば、一度挑戦してみてはいかかでしょうか。
新卒で広告代理店から転職するときのポイント
まずは自己分析。次にやりたいことを明確にしよう
先ほども述べたように、「なぜ自分が広告代理店から転職したいのか」という理由を明確にしてから転職活動をするべきだと思います。転職は体力も精神力も使いますし、後悔しない人生を送るためにも自己分析は必要です。
実際の転職活動でも、もちろん自己分析は役立ちます。「なぜ新卒で転職しようと考えたのか?」を面接官は必ず聞いてきます。
その際、自分はこう思うと、意見を堂々と言えると、面接官も納得し、選考に進みやすいでしょう。
難しく考える必要はありません。「なぜ自分が広告代理店から転職したいのか」から、なぜ?なぜ?を掘り下げていくと答えが見えてくるはず。新卒の就職活動を勝ち抜いたあなたならきっと大丈夫です。
退職日を決め、余裕をもって引き継ぎできるように動く
営業であれば、例え入社から1年未満でも担当顧客がいることも多いと思います。クライアントにはあなたや会社の事情は関係ありませんから、迷惑がかからないように退職日をしっかり決め、丁寧な引き継ぎを心がけましょう。
中途半端な辞め方をすると、あなたも気分が晴れないはず。前もって伝えれば、上司もそこまで怒ることもできないでしょう。
働いていた期間が短かったとしても、成長させてもらった会社やクライアントに感謝できる辞め方をしたいですよね。
ハローワークに行こう
転職サイト閲覧やエージェント登録など、最近の転職活動のやり方は幅広いですよね。その中でも、私はまずハローワークに行くことをおすすめします。
その理由は2点あって、1つはハローワークで転職活動をすることで失業手当や再就職手当などの補助が受けられるため。お金はあっても困らないので、国の制度を使って納得のいく就職活動をしましょう。
もう1つの理由は、ハローワークには巷のサイトやエージェントに登録されていない企業がたくさん掲載されているため。社員の定着率が高く、求人を出す頻度が少ない企業ほどまずはハローワークに掲載し、様子見ということが多いです。
ハローワークの職員の方に、就職相談もできるので、1人であれやこれやと考えるよりは心強いですよ。
まとめ
現在、私は広告代理店の営業を辞めて転職しました。正直人生ではじめての転職なので、人間関係を1から作ったり、慣れない仕事をするのは想像以上に大変だと実感しています。
ただ、やりたいことをはっきりさせて就職活動をしたので、希望通りの職に就けて幸せなのも確かです。
何より以前に比べて勤務時間が短くなり、自分の時間が増え、人生に余裕が生まれました。
悩んでいるあなたにもさまざまな事情があるのだと思います。私も辞める決断をするまではすごく時間がかかりました。なんせ5年も続けたので。ただ、今の仕事を続けるにしろ、辞めるにしろ、あなたが納得いくまで考え下した決断であれば、きっと後悔も少ないのではないでしょうか。
少しでも私の体験が、あなたの決断に役立てば幸いです。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし今の仕事に不満があるなら、ミイダスを使い転職できるかを確かめてください。
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(診断時間は約5分です)
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