新卒で営業事務を辞めたい

コミュ障で飛び込み営業が不安だった私は、「就活2ndステージ」に登録して事務希望で就活しました。

黙々と事務作業をするだけなら、内気な私もできると考えていたので、靴下メーカーの>営業事務に採用されたときは喜びましたが、9か月勤務（内定前のバイトが4か月ありました）した後に退職しました。

なにごとも手際よく対処する必要がありますし、 社内の人間関係が複雑だと営業事務は逃げ場がありません。いびられてうつ病手前だった私は、イレギュラーな方法で退職します。

「私は落伍者だ」と自責し続けたものの、働き続けていたら精神病になっていたでしょう。現在はライターとして自宅開業し、9ヶ月目となります。

今回は、新卒で営業事務を辞めたいとお悩みのあなたへ、辞めるべきかどうかの判断基準をお伝えします。悩めるあなたの毎日が、少しでも明るくなりましたら幸いです。

新卒で営業事務を辞めたくなった理由

精神的に不安定な上司がいた

どこにも性格の悪い職員はいますが、ドクターストップがかかるほど情緒不安定な係長に悩まされました。出社時は機嫌が良くても、外回り前に私の至らぬ点をいびり始めます。

私も委縮してミスが続きましたし、電話での話し方が冷たいと言われたときは、電話に出るのが怖く上手く話せなくなりました。

係長には昼食時もいじられるので、離れて仕事机で食事をしていました。すると課長から「こんなところで食べるな」と言われ、社内に居場所がありませんでした。

事務所内ではサンドバッグにされ、反論すれば係長のメンタルが崩壊するので、裏で泣くしかできませんでした。

営業社員のストレスがすごかった

売れ筋商品の確保が個人の営業成績に直結するので、営業員同士の仲は険悪でした。大型ビルに出店しても、ビルのオーナーから追い出されることもあるため安心できません。

営業員も多忙のあまり交際相手と別れるなど、私生活が犠牲になっており、八つ当たりする人もいました。

ギャル志向なのに、パンダの靴下など売れない製品を作るデザイナーは責められず、若手や営業員が粗末に扱われ、怒りが渦巻いていました。

研修がいい加減

商工会議所主催のものを除き、研修はありません。社長の言い方は大雑把なため、私が勘違いして真意に気づけず苦労することがありました。恥を忍んで私の失敗談を披露します。

採用時は私に「期待しているぞ」と声をかけていた社長から、実店舗での研修を命じられました。その前に、「店員になめられるな」と言われたため、勘違いした状態で店舗に向かいました。

店に着いたとたん掃除や雑用を押し付けられた私は、「店員になめられている」と考え、もめました。相手の言い分に納得がいかず反論したところ、「新人が言うことを聞かない」と店員から社長に告げ口されました。

社長からは「謙虚じゃない」と叱られ、恥ずかしくて辞めたくなりましたが何とか我慢しました。

基本の流れを教えてもらえないので何度も失敗しましたし、有料で導入した請求書システムも複雑で、日々トラブルに対処しなくてはなりませんでした。

「自分で勉強すれば何とかなる」と頑張ったものの、求められるレベルが高すぎて、無力感にさいなまれる日々を送りました。

社長が感情的すぎて話にならない

社長は深く考えないため、トラブルばかり起こしました。「携帯電話の実質無料キャンペーン」を、「月々の利用料がいっさい無料」と勘違いして、携帯電話会社に怒りをぶつけたのです。

届いた明細に金額が印字されているの見て納得できない社長は、一通り文句を言った後に「取引先との連絡は固定電話を使え」と言っていました。目的と手段を勘違いするタイプで、話になりませんでした。

経済紙を読んで勉強しているフリはするものの、「とにかくどーんといこうや」という発言ばかり。私の不安は日を追うごとに大きくなるばかりでした。

ボーナス前の査定でいびられる

ボーナス前には支給金額決定のため、自己評価をさせられます。しかし本当の目的は、業績にケチをつけて、ボーナスの金額を減らすことにありました。

営業員は販売ルートの拡大、事務員は業務円滑への貢献度、会社の顔として社外にいい印象を残せたか、と言う点で評価されます。

6月の査定で7から8で自己評価を提出したら、「7や8がつけられるほど良い働きをしたのか、よく考えろ」と社長に言われて訂正させられ、1万円だけ払われました。

12月の査定では文句を言われないよう、3から4で評価して提出したところ裏目に出たのです。「こんな評価をするほど、努力しなかったのか」と説教されました。

トップの営業員でもいびられるので、係長は「ボーナスはいらない。査定が苦痛だ」と泣いていました。どんなに頑張った社員に対しても、社長からねぎらいの一言はありません。

会社の社訓は「感謝せよ。親切にせよ。」でしたが、社長が実行できていなかったため、士気は低く最悪な状態でした。社長の本性がひどかったことが、やめたくなった理由です。

新卒で営業事務を辞めて塾講師のアルバイトへ転職した理由

人に英語を教えたとき、教えることの面白さに気づいたから

精神的に参っていた私はリハビリがてら、安い月謝で健康になりたいと考え、太極拳クラブに入りました。そのうち同じ教室に通う年配の人たちから、「せっかくなら働きなさい」と言われるようになりました。
確かにそうだと思いつつ、何が出来るかと考えてたところ、クラブ参加者が持っていた、英語教材の添削をすることになりました。

その人は基礎ができていなかったので、伝えるのに苦労しました。私は文型の知識を軽んじて、反射的に解いていましたが、人に説明するときは規則や文型の知識が必須となります。

難しい反面、教えることで自分の不勉強な点が見えてくるのは面白かったです。勉強しながら実力をつけられて面白そうだと考え、就職活動を始めます。「栄光キャンパスネット」に登録し、面接を受けて無事講師として採用されました。

教えることは相手の成長に貢献できるから

実はこれまでに親から塾講師のバイトを勧めらたものの、通学時間がかかるためあきらめていました。また、弟が変な方針の塾に入って成績を落としたことがあり、塾にいいイメージが持てなかったのも理由です。

しかし、教えることで 自分がレベルアップし、相手を成長させられる、自分も相手から気づきを得られる仕事だと気づきました。他の仕事にはない面白さがあると考え転職を決意しました。

塾講師は給料が高くてやりがいのある仕事だと考えたから

そして給料にひかれたことも事実です。塾講師は1コマ1900円~2500円といわれていたので、アルバイト代も高いのだろうと勘違いしていました。

実際は事前の打ち合わせや書類記入、生徒のお迎えと見送りでやることがたくさんあったので、実質時給は300円。とはいえ社会の厳しさも学べましたし、教えるスキルも身に付いたのでいい勉強になりました。

新卒で営業事務を辞めてOKな人、NGな人

あなたは現時点で、もう辞めてやると憤っているかもしれません。でも「隣の芝生は青く見える」と言います。嫌だと思っている職場環境でも、あなたの働きかけ1つで変えられるとしたら、辞めるのはもったいないですよ。ノートに書き出して、改善可能性を考えてみましょう。

辞めてはいけない人

上司が厳しいから嫌だと思っている人

上司が厳しいから嫌だという人がいますが、これは考えものです。叱るのは結構エネルギーがいります。あなたもわざわざ嫌われるような行動をとりたくありませんよね。

「ここは直した方がいい」という言葉を、「私だけ厳しくされている」と思い込むのは早計です。感情的な上司にしても、「こういう風にいなしておこう」と納得できるならば、辞める必要はありません。

むしろ足りないところを指摘してもらえるチャンスは、若いうちしかないのです。足りない点は謙虚に認めて勉強し、一目置かれるような存在を目指しましょう。

自腹営業を強要されないところ

自爆営業を強要される職種とは、どんなものか想像がつきますか。たいてい自社の商品に魅力がない場合が多いですね。目先の数字だけを追う自爆営業は、デメリットしかありません。

営業成績達成のために買い取りを強要しないところは、良心的です。ブラック企業の職場環境や評判と、あなたの職場環境をよく比較してみましょう。

研修のための投資をしてくれるところ

分からないときに教えてくれる、社内外の研修に快く行かせてくれるのが良い会社です。その研修が有用であればあるほど、辞めてしまうともったいないですよ。

今の時代は手取り足取り教えてくれるような余裕がありません。研修を使い、日々どういう学びがあったか、発見があったかノートや手帳に記録しましょう。1～2行で書いたことが、後々の引継ぎノートや転職で生きてきます。

辞めていい人

自爆型営業をさせられる

自社の商品に魅力がないときに起こります。商品のコンセプト見直しもなく、売ることを強制されるならその会社の将来は危ういでしょう。問題点を直視せず、先送りする企業の将来は本当に明るいでしょうか。

私が辞めた職場には、自社の商品を相手に購入させるために、相手先の高額商品を買う営業員がいました。契約をとるために身銭を切るとは、シャレにならない話です。

社長、社員がメンタル不安定気味

従業員のテンションが乱高下（らんこうげ）する、八つ当たりするのが日常化しているなら、転職を視野に入れましょう。社長が怒鳴り散らすのは論外です。

誰かが怒鳴られたときにビクッとすることがあれば、あなたのメンタルも危険です。見切りをつけて転職活動をしましょう。

残業代の支払いなし、ハラスメントがひどい

残業代込みで給料を払うところがありますので、よく就業規則を読みましょう。私はまともに仕事を教えてもらえず、自分のミスを始末するためにさらに残業するという、無駄なことをしていました。

また、社長の気に入らない従業員を、全員でいじめて追い出す風潮があるところも考えものです。能力でなく、社長の好みが基準であれば、次はだれが追い出しのターゲットになるかわかりません。社長の暴君ぶりを許容できないときは、転職を真剣に考えましょう。

新卒で営業事務から転職するときのポイント

営業事務の仕事内容は幅広く、採用側としても、あなたの能力が分からない可能性があります。どんな仕事をしたか棚卸（たなおろし）をして、アピールできるようにしましょう。

「辛いから辞めた」と言うよりも、「経験を生かして、こういう仕事をしたい。こういうことが得意なので、即戦力になれる」と、アピールするのが得策です。

面接は転職エージェントにアドバイスを求めてもいいですし、家族や友人に面接相手になってもらい、いろいろ突っ込みを入れてもらいましょう。

また応募要項や職種から、ある程度見極めるクセをつけるとよいですね。ブラック会社の特徴は「アットホーム、笑顔が絶えない」という文言を募集で使います。あなたが今見ている求人票は大丈夫ですか。

逃げるように退職してしまった私の事情

私の場合は年度末までいるつもりでしたが、11月末から社長に「今は関東本社での仕事だが、関西の物流本部にパートとして行ってもらう」と脅されました。

能力がないのに給料は払えない、現場で仕事をしろと言われ続け、うつ病になりかけていました。自分の手荷物をまとめて会社から帰りましたが、落ち込みすぎてもう出社できないレベルでした。

本来なら退職の1ヶ月前に「退職願」を提出しなくてはなりませんが、度重なる脅しに参ってしまい、そうした手続きをとれませんでした。職場の鍵を郵送で返却し、退職届も送って退職してしまいました。

しばらく「自分はダメ人間だ」と落ち込んでいましたが、「使えないからパートに格下げする」と言われたことを思い出し、怒りが沸き上がりました。

家族の協力のもと、手帳の記録から残業代を請求しました。大学4年の12月から3月まで内定先でのバイトで拘束されたために、取得できなかった運転免許も手に入れて転職に備えました。

普通に手続きを踏んで辞めるために

通常の場合は、「退職願」を書いて上司に提出します。コツは「ビビらず、淡々と伝えること」です。もう転職先を決めた場合は、「次に働く場所が決まりましたので、いつまでの勤務でお願いします」と伝えましょう。

まだ決まっていない場合は、上司も優しい言葉をかけ、「社会は甘くないぞ」と脅してくるかもしれません。しかし、一度あなたが決断したことであれば、貫きとおしましょう。どう働きかけても職場環境が改善されないなら、もう手の施しようはありません。

やめてしまえば、嫌な怖い上司もただの無関係な人です。意思が硬いと分かれば、それ以上干渉してきません。もし、「やめるにあたってかわりの従業員を探せ」と言われてもひるむ必要はないですよ。

採用は会社や社長の仕事ですので、あなたがやることではありません。本来は対等なはずの契約ですから、辞めると決めたら強気で行きましょう。

転職活動手順とコツ

まずは転職サイトに登録してください。転職情報口コミサイトで従業員の本音を調べます。簡単な見分け方は、転職を希望する会社に夜10時頃行きましょう。電気がついていたらブラックと判断します。

注意してほしいのは、面接が苦手だから1回の面接で採用してほしいと考えることです。ブラック会社は人手が足りないので、簡単に採用して使いつぶします。あなたも数回面接をして、相手の本性を見極めましょう。

ところであなたは面接で緊張して、どもることはありませんか。そういうときは話す内容をパソコンやスマホの音声入力で文章化しましょう。頭の中がすっきり整理されて、意外と冷静に話せます。また、「ここで採用されなかったらどうしよう」とおびえてはいけません。

焦るほど面接で話せなくなりますので、「落ちたとしたら、就職しなくてよかった会社だ。次を探そう」と考えてください。面接官も鬼ではありません。あなたと同じ人間ですから、リラックスして今までの仕事内容や打ち込んだことをアピールしましょう。

営業事務をこなす肝は、スケジュールを可視化して、常に優先順位を吟味することですよね。日常業務の前に、急ぎの仕事が入ればそちらを優先するでしょう。突然の変更はだれでも慌ててしまいますが、あなたはどうやってミスを減らそうとしましたか。

就業前に1日の流れを書き出した、失敗を書きとめて次に活かすようにしたことがあれば、十分アピールポイントになります。コツはあなたが採用者となり、あなた自身をどう評価するか考えてください。どんな人材が欲しいか考えると、面接が怖くなくなりますよ。

新卒で営業事務を辞めたいあなたに最後に伝えたいこと

就活を乗り越えたのにやめなくてはいけないと思うと、落ち込みますよね。でもうつになれば治療に時間がかかりますし、自分で命を絶てば、あなたに関わる人の多くがショックを受けます。仕返しのために自死してはいけません。

最初の職場を逃げだした後、「自分はダメ人間だ」と数年間自分を責めました。でも生きていれば、よい仕事に巡り合えます。会社勤めが合わなければ、別の道を行くのもいいでしょう。

また、私は転職したものの正社員でないことを、親から責められました。社会不適合者なのだろうと思うと悔しくてたまらず、アルバイト先で正社員登用してほしいとへつらうこともありました。今は自分の職業適性、気質を調べて自営業を選びましたが、ストレスが格段と減り楽しく仕事ができています。

経験上、万が一のために、ネットビジネスなどあまり元手のいらない副業でお金を作るのも一つだと思います。

軌道に乗るまでしばらくかかりますが、自衛の意味も込めて、帰宅後のリラックスタイムを使ってコツコツ作業されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

私は最後逃げるように辞めて、残業代を請求しました。私が今でも悔やむのは、自分の直感を大事にすべきだったということです。

面接での社長の笑い方に下卑たものを感じたとき、一瞬引っかかったのですが、「こんなことで蹴るのはもったいない、考えすぎだ」と見過ごしたことが間違いでした。

面接官や散らかった職場環境など、少しでも違和感があれば、直感を大切にしてください。苦労して入ったのだから、やめたらもったいないと思い続けて自分の健康を害したらいけません。

人生には損切りするしかないときもあります。最低限の礼儀は守りつつ、あなたファーストで生きていってよいのです。あなたの未来が明るいものとなるよう、心の底から応援しております。