どうせ仕事をするのなら、必ず人の役に立つ仕事をしよう。特にやりたい仕事が無かった大学生当時の私はそう思い、新卒でヘルパーとして働き始めました。
福祉関係の仕事は絶対に必要とされ、人の役に立つと考えたからです。知的障害を持つ児童の介護が主な仕事でした。結果として4年程同じ職場で働きましたが、仕事を始めた1年目から大変なことが多く、いつも仕事を辞めたいと考えていました。
今振り返ると、もっと早く介護の仕事を辞めた方が良かったと感じています。私はその後、観光関連の仕事に転職しました。
あなたも、ヘルパーなど介護関係の仕事を続けるのが辛いと思ったことはありませんか?もしくは、現在の仕事を辞めたいと考えていませんか?
この記事では、私の当時の心境や転職などについてお話しします。似たような境遇の方々に少しでも参考にしていただければ幸いです。
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新卒でヘルパーを辞めたくなった理由
給料が低い
介護の仕事は体力的にキツイ割に給料が低いとよく言われています。私の職場もその通りで、仕事を経験し、これは本当のことだと実感しました。あなたの職場はいかがでしょうか。
こんなに大変な思いをして働いても、給与明細を見て(たったこれだけか…)と感じる日々。
1ヶ月の給料から家賃、光熱費、食費を引いたら残りはわずかです。趣味にお金を使うと、貯金にお金を回すことがなかなかできませんでした。
給料が上がらない
一般的に勤続年数を重ねたり、役職が付いたりすることで給料は上がっていくものです。しかし、私が居た職場では給料が上がったとしてもほんのわずか。役職が付くことも無いので、役職手当てもありません。
また、介護という仕事は、「成果」が目に見える形で残りにくいのが特徴です。いくら私が良い働きをしようとも、私が直接支援をする利用者さん本人が評価をすることは不可能です。
利用者さんの親御さんからは感謝され、「顧客満足度」を高めることはできますが、それが業績や成果に結びつくわけではないのです。
労働時間、拘束時間が長い
基本的には週休2日、1日8時間労働です。月に1度シフトが出て、勤務日が決まります。休日は規定通りに取ることができましたが、問題は1日の労働時間。実際に働いてみると、時間内に仕事が終わる日はほとんどありませんでした。
そもそも、1日にこなす仕事の量が8時間以内に収まるように計画されていなかったのです。
1時間の休憩を入れたとしても、平均で1日9時間程働いていました。しかも、休憩時間中も利用者さんを見ていないといけないので、完全に自由な休憩時間はないのです。
また、私の職場では週に1度、全体のミーティングがありました。それが開催されるのは全員が事務所に戻った後。つまり、職員は1日の勤務をこなした後なので、定時は超えてしまいます。
ミーティングで情報共有をするのは大事です。しかし、仕事の時間がさらに伸びて疲労を溜めるという効率の悪いやり方でした。
残業代が出ない
1日の業務が長引いても、残業代というものはありませんでした。ヘルパーの仕事は利用者のお世話だけではありません。記録、事業所の掃除、次の日のタイムスケジュール決めなど、事務作業や雑用も沢山あるのです。
また、送迎車の掃除、必要物資の買い物、ケアプランの構成など、必要に応じてやる業務も膨大にありました。
また、1日のタイムスケジュールを確認すると、予め1日の労働時間が8時間オーバーしていたことは1度や2度ではありません。掃除などはその日の出勤スタッフで分担しますが、皆各自の定時で帰ることがなかなかできませんでした。
残業代が出ないようにスタッフを増やせば良いとは思いますが、人件費が増えても収益が上がるわけではありません。そのような理由もあり、職場が残業ありきの体質になっているのでしょう。
利用者家族と会社上層部の板挟みになる
それぞれの利用者に応じてケアプランが作成され、それを基本として利用者さんの支援を行います。中には障害の特性が大きく出て、支援が難しい利用者さんもいます。
そこで支援がなかなか上手くいかない場合、会社の上層部と利用者さんのご家族の間で意見の食い違いが発生することがあります。すると、ヘルパーが両者の間で板挟みになってしまうのです。
両者のことを知っている身としては、それぞれの言い分が理解できます。その分、両者とも納得のいく結論に達するのは非常に難しいのです。
会社上層部と利用者の親御さんとの関係の調整役になることが多く、板挟みになる形でどんどん疲弊していきました。
新卒でヘルパーを辞めずに踏みとどまった理由
- 未知の分野だったので、学びや発見が多かった
- 当時他にやりたいことがなかった
- また仕事を探すのが面倒だっ
福祉関連は個人的に未知の分野で、働く前は知的障害のこともほとんど知識がありませんでした。様々な角度から障害のことを知ることができ、働くことを通して学ぶことができたので、充実感はありました。
一方、あまりポジティブな理由ではないのですが、ヘルパーの仕事を辞めたとしても、当時は他にやりたいことが特にありませんでした。その上、仕事が忙しいこともあり、将来のこともなかなか考えることができませんでした。
また、この職場を辞めてまた仕事を探すことを心のどこかで面倒に思っていました。
新卒で就職し、すぐに辞めたことを将来の履歴書に書くことを想像すると、すぐに辞めることがいい判断だとは思えなかったのです。
4年目に訪問介護の仕事を辞めて自治体の観光関連の仕事へ転職した理由
- このまま仕事を続けても先がないと思った
- 社長のセクハラ
- 仕事に気持ちが入らなくなった
- 興味のある仕事が見つかった
先に述べたように、給料が低いのは気になる部分でした。それよりも、これから給料がほとんど上がらないのが目に見えていることの方が問題です。
(この職場に長く居ても良いことは無い。そろそろ次の仕事を探さなければ。)そう思い、忙しい中でも、将来に向けて動き出すことにしました。
そして決定的な出来事が起こります。社長(男性)の女性社員に対するセクハラが発覚したのです。普段は私や他の社員にも普通に接していましたが、他の社員が見えないところで女性社員にセクハラをしていたのです。
また、他の女性社員にはパワハラまがいの発言をしたこともありました。
そんな会社では働く気を無くして当然です。すぐに会社を辞めることも考えましたが、次の当てもまだないため、仕事は続けていました。それに加え、今すぐ辞めると利用者さんに迷惑をかけてしまうとも考えたからです。
しかし今となってはすぐに辞めた方がよかったと思います。そのような会社に大事な家族の一員を託したいとは誰も思いませんからね。
このことを契機に、本気で次の仕事をどうしようかと考え始めます。そんなある日、インターネットで観光関連の求人を目にしました。そこで私は、(この仕事やりたい!)と素直に思ったことを覚えています。
もともと国内、海外問わず観光や旅行は好きでした。当時住んでいる場所からは離れた場所でしたが、今の環境を変えたかったこともあり、私としては好都合でした。仕事の休みを利用して面接を受け、採用が決まった翌日すぐに退職を申し出ました。
新卒でヘルパーを辞めてOKな人、NGな人
ヘルパーの仕事は本当に大変です。それは実際に仕事をしているあなたが一番分かっていると思います。 しかし、大変というだけで仕事をすぐに辞めてもいいものでしょうか。少し考えてみましょう。
辞めてはいけない人
- この仕事が好きな人
- 将来福祉関連の仕事をしたいと思っている人
- 自分のやりたい仕事が分からない人
上記に1つでも該当する方は、仕事をすぐに辞めることを一旦思い留まった方が良いかもしれません。
まず、大変だと思いながらも、楽しく仕事ができているあなたは、ヘルパーが向いているかもしれません。好きなことを仕事にできているなら、これから前向きに働くことができると思います。
また、将来も引き続き福祉関連の業界で働きたいと思っているあなたは、現在の仕事を続けてもいいと思います。どんな仕事でも1年未満で覚えられることには限りがあります。2年、3年と仕事を続けていくと、新たな発見や学びがあることでしょう。
経験に裏打ちされた知識や、現場の状況をよく知っていること。それが将来のための糧になります。
また、かつての私のように他にやりたい仕事が分からない場合も、仕事をもう少し続けてみることをお勧めします。今の仕事を続けながらも、好きなこと、やりたいことは何か、改めて考えてみましょう。
辞めていい人
- 肉体的、もしくは精神的に限界が近いと感じる場合
- お金を稼ぎたい人
- 他にやりたいことがある人
介護はハードな現場が多く、職場によっては夜間勤務もあります。体力がなければ務まらない仕事です。
利用者さんやその家族、同僚、上司など、様々な人と直接接する機会が多い職種であり、人間関係から大きなストレスを受けることもあるでしょう。
体力的に、もしくは精神的に(もう無理)と思ったら、すぐに辞める準備をしましょう。仕事ができないほど疲弊したり、鬱病になったりしたら手遅れです。自分の心と体を第一に考えてください。
介護関係の仕事は給料が低い為、生活が苦しい場合も、辞めることが得策でしょう。ヘルパーより稼げる仕事はいくらでもあります。場合によっては、アルバイトの方が給料が高いこともあります。
次の就職先が決まっていなくても、アルバイトをしながら将来のことを考えることも一つの手です。
また、他にやりたいことがあるならば、今のヘルパーの仕事を辞めましょう。辞めるまで時間がかかるほど、次の仕事に割く時間が少なくなります。介護の仕事は人生経験を積んだとプラスに考えて、すぐに次のステップへ進みましょう。
ヘルパーからのおすすめ転職先
ヘルパーから教師
同僚にも、仕事で知り合った人にも、教員免許を持っている人が何人かいました。ヘルパーよりは稼げる職種であることは間違いありませんので、あなたがもし教員免許をお持ち、なら教師はおすすめできます。
人と直接接するヘルパーの仕事をしてきた人にとって、教師はやりがいのある仕事だと思います。
また、特別支援学校や、特別支援学級の教諭も良い選択肢でしょう。あなたがもし知的障害を持つ利用者さんのヘルパーをしてきたならば、経験を積んでいることがプラスに働くと思います。
ヘルパーから公務員
私の印象ですが、福祉関係の仕事をしている人は、人の役に立ちたいと考える真面目な人が多いと感じます。その性格を生かして公務員として役場などで働くのはいかがでしょうか。
もし福祉関連の課に配属されたら、あなたのように経験を積んでいることは強みになるでしょう。
また、役所は定時で帰ることができる課が多く、長時間労働から抜け出したいあなたには良い転職先になるかもしれません。
ヘルパーから接客業
ヘルパーや介護の仕事をしていると、知らず知らずのうちにコミュニケーション能力が鍛えられます。
利用者とのコミュニケーションだけでなく、利用者さんのご家族、職場の同僚や上司との密な連絡や情報共有は欠かせません。様々な立場から物事を見ること、人の話や意見を聞く大切さを、あなたは良く分かっていると思います。
その能力を、接客業に生かしてみてはいかがでしょうか。相手の立場に立って気持ちを考えられることは強みとなるでしょう。
新卒で訪問介護から転職するときのポイント
退職後のプラン、もしくは次の仕事を決めておく
どの仕事にも言えることですが、いきなり仕事を辞めて無職になるのはリスクがあり、不安ですよね?
次の仕事がすぐに決まらなかったら、収入がゼロになってしまいます。そのためにも、現在の仕事をしながら次の仕事を探すことをお勧めします。必要に応じて、転職エージェントへの登録も考慮しましょう。
次の仕事が決まっている、あるいは、今後のプランを明確にすることで、自分の気持ちも整理できることでしょう。
退職する旨を伝えましょう
退職希望日の1ヶ月以上前には、退職の意思を伝えましょう。伝えるのが遅くなってしまうと職場だけでなく、何より利用者にも迷惑が掛かってしまいます。
退職したら会社に迷惑をかけてしまうのではないかと思うかもしれませんが、大丈夫です。
職員が減ったらどう調整するか、マネージメントをするのが会社ですから、もし辞めた職員が責められるならば、それは組織の怠慢です。堂々と退職しましょう。
介護関連の仕事は求人がたくさん出ています。それだけ人の出入りが激しいのだと思います。あなたが今の職場を辞めても、他の誰かが引き継いでくれることを信じましょう。
残りの仕事はやりとげる
退職日が決まったら、気持ちは既に将来に向いているかもしれませんが、まだ今の職場のことを忘れてはいけません。引継ぎも含めた残りの仕事は最後までやり遂げましょう。
退職日が決まった後で、お世話になった利用者さんとそのご家族にも必ず退職のお知らせをしてください。
職場や利用者さんとうまく合わなかった、嫌な思いをしたことがあるかもしれません。しかし、最後まで後味の悪い思いをお互いにしないためにも、最後の1日まで誠意を持って仕事をしましょう。
まとめ
今の仕事は、本当にあなたのやりたいことなのでしょうか?
やりたいことではないのに頑張り続けることで、心と身体の調子を崩してしまう可能性があります。ヘルパーは人と人が直接接する職業です。それなのに、長時間勤務の疲労や、精神的な不安定さがあると、どう頑張っても良いサービスは提供できません。無理をしても自分への負担は増えるばかり。
自分に合わないと感じていたら、辞める勇気を持ちましょう。私はヘルパーの仕事が嫌いではありませんでしたが、辞めて良かったと感じています。
あなたが本当にやりたいことは何ですか?一度頭をフラットにして考えてみてはいかがでしょうか。私の経験が少しでもあなたの決断の参考になれば嬉しく思います。
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