新卒で整体師を辞めたい

新卒で整体師を辞めたい

「スポーツトレーナーになり、オリンピック選手をサポートしたい」。そう考えて学生の私は整体師になり、技術を磨き、身体のケアについて多くのことを学ぼうと考え、整体系の企業に就職しました。

誰でも肩こり、腰痛を抱え込んだことがあるのではないでしょうか。整体を利用する人の中には身体の不調や、日ごろから身体のケアとしてお店に通う人がいます。整体師はこのような人たちの主訴を改善することで、お客様から直接お礼を言われるようなやりがいのある職業であると思います。

しかし、休みがシフト制であったり、有給も取りずらいという福利厚生面や、お店の回転率を求められたり、多くのお客様を分担制にしたり、いつまで経ってもスポーツトレーナーになれないというようなキャリア構築に関するデメリットも多くあると思います。

この記事を見て、整体師だけど転職しようか悩んでいる方にとって、少しでも参考になることが出来れば幸いです。

目次
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整体師を辞めたくなった理由

モチベーションが続かない

私が新卒で入社した企業でスポーツトレーナーになるには、最初は店舗で多くのお客様の施術を行い、修行を積み重ね、企業内にて多くの手技の試験を受け、合格することで社内のトレーナーランクのトップになれば企業の専属スポーツチームである女子ラグビーチームのトレーナーとして実務経験を積み、資格取得をすることが必要条件でした。

新卒の私は研修から毎日必死に身体のことを勉強し、上司から教えてもらった技術をどんどん吸収しました。

しかし、どんなに技術を身につけても新店舗に配属されたため、お客様が少なく、トレーナーになるために必要な施術量をこなすことが出来ませんでした。

毎日朝9時から夜10時までお店を営業した後で、上司に施術を見てもらっていましたがモチベーションが続きませんでした。

もちろん、私の同期の中には、忙しい大型店舗に配属され、かなり多くのお客様の施術をする者もいたため、早期に店長になったり、トレーナーの実務経験を積むことができていましたが、ごく僅かで、そのような同期でも、自分の休みを返上してお客様の施術をする人がほとんどでした。

休憩が取れない

これはどの職業にも言えることですが、整体の仕事ですと、お客様の予約や飛込入店があると、スタッフがいればお店の回転率を上げるため、スタッフの休憩を後回しにするか、取らせずにお客様の施術を優先することがしょっちゅうです。

特に忙しい土日祝日であれば、10時開店、22時閉店の店舗では2時間の休憩を取らなければいけないですが、それだけ働いていても20分しか休憩がないことがしばしばあります。

私は最初に配属された新店舗から3ヶ月後に人事異動で大型店舗に移動しました。もちろん休日は休憩が無いのが当たり前、平日でも休憩中にスタッフが足りなくなり、呼び出されることがしょっちゅうでした。

どれだけ一生懸命にお客様に施術をしても休憩が取れないせいで、栄養失調になってしまうことも多々ありました。これでは仕事に集中できないと思います。

残業代が出ない

私が働いていた整体系の企業では月に60時間はみなし残業代であり、基本給に含まれていました。そのため、給料が手取り17万円ほどしかもらえず、残業代は60時間以上働かないともらえませんでした。

毎日営業開始前の9:20に始業し、閉店が22時、レジ閉めや掃除、終礼などで勤務先からの帰宅時間は23時半になるのが普通でした。

これだけの拘束時間があるにも関わらず、60時間のみなし残業となると、月の労働時間が越えることはまずないと思いますし、かなり体力的に厳しいと思います。同期の中には配属店舗の閉店が8時の人もおり、その人たちと同じ分の給料しかもらえないため、非常に不公平な感じがしました。

やはり、働いている時間の分だけはしっかりと給料ももらいたいですし、みなし残業代60時間はかなりのブラック企業です。

ギブ&テイクの理論が全く成り立っていないのも転職を考えた理由の一つです。

施術のし過ぎで手や指をケガしやすい

これは、整体師であれば、多くの人が経験することなのではないでしょうか。

私自身も一日に20人以上のお客様の施術を行ったり、女性だけではなく、身体の大きな男性の施術に入ることも非常に多く、お客様も凝り固まっている人がほとんどなので、鉄板をもみほぐしているような感覚もあり、ついには右の手首がひどい腱鞘炎になってしまい、施術自体、行うことが出来なくなってしまいました。

また、かなりのブラック企業で労災が下りず、結局お客様の施術に入ることが出来ず、私の仕事はフロント業務のみとなってしまいました。

もちろん、手首の痛みがあった際には、店舗のスタッフが出来る限りの施術をしてくれましたが、腱鞘炎なので治ることもなく、再発する可能性もあるとのことでした。

やはり、整体師は他者の施術ができても、自分の身体を酷使することが多いのが現状です。

同じ店舗で働いているスタッフや私の同期の中にも、風邪をひいており、熱があったが、仕事がシフト制のため、休めない、毎日のように休憩が無く、稼動させられて疲労が溜まったり、精神的に病んでしまい、自立神経失調症になってしまった、という人もたくさんいます。

有給休暇が取れない

これは整体師に関わらず、どの仕事にも言えることではあるかもしれません。

ですが、整体師は特に、月8日休み、年次有給休暇は10日(初年度)を支給されますが、基本的に各店舗のスタッフの人数は5名~10名ほどであり、常に少人数で店舗運営をしていかなければならないため、誰か1人が休むことにより、他のスタッフが出勤しなければ仕事が回らない事態になってしまいます。

私が在籍している間にも、有給休暇を取っているスタッフといえば店長ぐらいで、他のスタッフは有給を全く取っていませんでした。

有給休暇を取るには店長がシフトを考える1ヶ月半前に結婚式や法事で休むと伝えなければ、基本的には休めませんでした。さすがに、インフルエンザになったスタッフは2週間ほど休んでいましたが、休んだ分の日数だけ翌月は勤務を要されていました。

「働き方改革」が行われている中で整体師の職はそれに逆行している印象です。

私は、今の会社に転職をしてから、有給はその日の朝に具合が悪ければ「会社を休みます」と上長に一言申し出れば、自由に取得出来たり、旅行に行く際には出勤簿に予定を入れておけば自分のタイミングで取得できることが当たり前のことなのかと常に思っています。

1年で整体師を辞めてイベント会社に転職した理由

クリエイティブな仕事に興味を持ったため

整体師はクリエイティブな仕事ではないとは言い切れませんが、サービス業の一環としての整体師はお客様への接客をし、施術をし、身体の不調が改善していくというようなルーティーンが決まっているため、同じ業務をループして出来ればいいように感じていました。 

特に手首をケガしてしまった時からは、永遠にフロント業務であったため、お客様をご案内し、電話の対応や予約を取ったり、会計業務する一連の決まった流れの中での仕事でしかありませんでした。

何かを新しく作り上げるような仕事は無く、私自身、もっとクリエイティブな仕事をしたい、と思い、転職を決意しました。

転職し、現在も在籍している現在の会社はイベント会社であり、様々なイベントの事前作業として、広告を作成したり、イベント会場をロケハンし、当日の客導線を考えたり、イベントに必要なものを考え、発注したりと、一つのイベントを作り上げるためにたくさんの業務があり、それらに臨機応変に対応して、ディレクター業務をこなしています。

これは正しく、私が思い描いていたクリエイティブな仕事です。そして、私が整体師の職から転職をした第一の理由になります。

スポーツに関わりたい

整体師になりたいと志した際に、まず念頭に置いていたのが、スポーツに関わる仕事がしたいということです。

その結果、スポーツトレーナーを志願し、整体師になりましたが、整体師として働くことが出来なくなったときに、2020年の東京オリンピックや大規模なスポーツイベントに関わるような仕事をする道もあるのではないかと思い、スポーツイベントを支える仕事ができるような業界に転職をしようと決断しました。

現在はそのスポーツイベントを主に扱っている企業に就職をしており、大規模なマラソンの運営や、Jリーグの大会事務局業務、オリンピック種目の運営管理業務に取り組んでいます。

整体師としてお店で働き、スポーツトレーナーになるよりも、イベントディレクターとしてスポーツを支える仕事の方が、自分が今までに取り組んできた、様々なスポーツ経験が役に立っているのではないかと感じています。

あの時に転職をしていなかったら、未だに整体師として店舗で働いていたのだろうなとも感じています。

福利厚生が整っている仕事に就きたかったため

前述したように、整体師はシフト制の勤務であり、私は残業代ももらったことがありません。勤務時間も朝から夜遅くまでであり、忙しい日はお昼休憩も取らせてもらえないのが普通でした。

このような一日のスケジュールもあり、不規則な時間の昼休憩や、終電にも間に合わないような生活を繰り返しているうちに、仕事中に頭が痛くなったり、めまいがしたりと身体にも悪影響が出てきてしまうようになりました。

また、月に8日の公休制度を取り入れていましたが、人手が足りなくなったら休みを取っていても仕事に呼び出されることも頻繁にあり、十分に休みを取得することが出来ませんでした。

当然、休みが取れないのでどんどん疲労もたまり、モチベーションの維持も難しくなってしまいます。

このようにいくら自身のビジョンを持って仕事に取り組んでいても、職業上、会社の福利厚生が整っていなければ、業務の実施自体が出来なくなるのではないでしょうか。

“鉄は早いうちに打て”という言葉があるように、福利厚生についても、私が1年で整体師の仕事を辞めた理由の一つです。

そのため、転職をしようと決めたときには、それぞれの会社の福利厚生面をしっかりと吟味した上で履歴書を送りました。

新卒で整体師を辞めてOKな人、NGな人

辞めてはいけない人

  • 整体師の経験で能力が身についていない人
  • 整体の仕事が好きな人
  • マニュアル的な仕事がしたい人
  • 職場の風通しの良さを感じている人

整体師という仕事は魅力的な仕事であると思います。お客様の身体の辛さや心の辛さ、またはケアをしていくことで、直接感謝される仕事はなかなか無いと思います。

整体師の仕事が辛くてやめたいという人でも、転職をする前に考えてもらいたいことがあります。

それは整体師という仕事を通して自分には何か能力が身についているのかということです。お客様の主訴となる部分を正確に感じ取り、施術後にスッキリ感が見いだせているかどうか、お客様が心から施術に対して感謝の言葉を言って下さるかどうか、が自分の能力の有無になると思います。

とりあえずメインの担当者に肩部分を多めに押してください、と言われても、本当にお客様は肩コリに悩んでいるのでしょうか。私は前職において、お客様が払うお金に見合ったサービスがしっかりと提供できているかを考えながら仕事をしました。

どんなに気難しいお客様でも自分たちの誠意を見せれば、必ず心を開いてくれます。

傾聴や共感の能力は整体師だからこそ身につく能力だと思いますし、そういった能力は転職してもクライアントの評価にもつながるので、ただ辞めるのはおすすめ出来ません。

また、店舗は少人数で運営しているため、自分の意見が言いやすい環境でもあります。

少人数なだけに、人間関係が悪くなってしまうと気まずくなりやすいですが、店長やパートさんとも非常に仲良くなりやすい風通しの良さは、オフィスワークとは違い、非常に良いです。

また、整体師だけに、お客様の身体のことや、施術自体が好きな人は続けた方がいいと思います。福利厚生に欠けるが、施術は好きなので整体の仕事がやりがいとなるような人は続けるべきです。

辞めていい人

  • 福利厚生の良さを求める人
  • 接客業よりもオフィスワークを仕事にしたい人
  • 心身に悪影響が及んでいる人
  • 自分の仕事へのビジョンが明確な人

前述もしましたが、心身に何らかの悪影響が出てしまう人は仕事を変え、心機一転、別の仕事に切り替えてみるのも有りだと思います。

十分に休みを取り、仕事は定時で終了させ、自分の趣味の時間が増えたり、有給休暇を取得し、海外旅行に行き、リフレッシュをしたりと、気分を入れ替えることで、仕事も集中できるのではないでしょうか。

また、接客業は常に笑顔でお客様と接しないといけません。もちろん、自分の気が乗らない時でも、表情に出してしまったり、愚痴を言うことで、それがお客様にも伝わってしまいます。

施術に関してケチをつけて来るお客もおり、そういった人にも丁寧な対応をする必要があります。オフィスワークは事務的な作業であったり、立ち仕事も少ないため、常に気を張っていなくても仕事ができると思います。

最後に、“自分はこの仕事がしたい!”というように転職後のビジョンが決まっている人は早々に整体師を辞めて、やりたい仕事に転職をした方がいいと思います。

整体師からのおすすめ転職先

イベント会社

整体師からイベント会社に転職をした人は、私の知っている前職の中でも3人はいます。接客業という仕事を経験し、イベントの仕事にどう役に立つのであろうかと、疑問に思う人もたくさんいると思います。

やはり、クライアントの意図していることを正確に聞き取り、実現していく力や、どのような人に対しても、分け隔てなく接することが出来る力、イベント中の限られた中での休憩が上手く取れることが元整体師の能力であると思います。

イベント中はとても忙しく、トイレに行く時間でさえもきを張っていなければならないので、整体師としてそのような状況に慣れて置けば、現場業務もあっさりとこなすことが出来ると思います。

飲食店の経営

整体のお店は店舗ごとにシフトを店長が考えたり、お店の方針をみんなで話し合っていったりと店舗のマネジメントをします。

特に店長経験があれば、飲食店の経営をしたり、開業して自分のお店を持ち、お店の運営業務をこなすのもおすすめです。

また、スタッフの休憩を割り振るような、スケジュール調整も整体師の仕事を行っていれば頻繁に必要とされるのでスケジュール調整能力にも優れていると思います。

スポーツチームの専属トレーナー

これはもちろん整体師であれば天職になる可能性もあります。私の同期の中にも、資格を取得して、出身大学や、専門学校からのつながりで、スポーツチームの見習いトレーナーとして働いている人がいます。

身体の構造やストレッチの仕方など、整体師としてお客様の施術を行うことにより学んだ施術を十分に活かすことが出来る仕事であると思います。

最初は自己負担額もあるとは思いますが、スポーツ選手を相手に出来るのであれば、普通の整体師の仕事をするよりも、ケースBYケースが多いアスリートを相手にしていく方がいいと思います。

新卒で整体師から転職するときのポイント

第二新卒であることをアピール

どの会社にも言えることですが、20代の若い時からのキャリア育成が求められます。

新卒では整体師として接客業に1年取り組み、接客をする上での能力を身につけた上で、第二新卒として業界デビューをし、「将来的に転職先でどういったキャリア構築をしていきたいのか」ということを明確に書類や口頭で伝えていく必要があります。

整体師という職業から身についた能力をアピール

私はリクナビNEXTを利用し、大手企業を中心に選考を受けましたが、整体という接客業をスタートし、デスクワークの経験もなしにメールを送ったことも、名刺を交換したこともないというのでは、当然企業からも厳しい目が向けられると思います。

しかし、整体師として多くのお客様の訴えを正確に受け止め、共感をし、ケアをした経験はオフィスワークしかやったことが無い人に比べてアピールできるポイントであると思います。

また、体力面も十分にアピールし、多少のことではくじけない精神力を自己PRとしてもいいと思います。

転職活動は短期間で行う

私は転職活動自体、整体師を辞めると決意してから1ヶ月で終わらせています。“早く終えればいい”ということではありません。その理由は後述します。

まずは転職サイトです。私は比較的に大手企業も多く掲載されているリクナビNEXTから企業に直接応募して、転職をしましたが、転職サイトにもエン転職やビズリーチなど様々な求人サイトがあります。エン転職は中小企業が多く、選考が通りやすいイメージがあります。

求人サイトを決めたら、様々な業界や業種を見てみることがおすすめです。一年で転職をするので、同じようなことを繰り返さないためにもより多くの可能性を探してみることも大切です。

最後に、整体師という仕事を辞めるのはお客様の引継ぎやシフト制であることが原因で2ヶ月は要すると思います。そのため、自分が転職をすると決めてから1ヶ月間は仕事の休憩時間や遅番、早番を利用して履歴書をどんどん書いていくことが必要です。

また、有給は使わずに一日に3社ほどは面接に行くのもありだと思います。中途入社であれば、面接が1回の企業もあります。

“Time is money”という言葉をよく耳にしますが、その通りであり、無駄に所かまわずに選考を受けるのではなく、自分が気になった所で企業情報をしっかりと調べた上で面接に行きましょう。

このように悩む時間よりもフットワークの良さで転職活動をし、前職を辞めるまでの1ヶ月間は有給消化をして、次の仕事に向けた準備や今までにできなかった旅行に出かけ、リフレッシュをすることがおすすめです。

まとめ

私は整体師からイベントディレクターに転職をしましたが、後悔は有りません。それは生半可な気持ちで整体の仕事に取り組んでいなかったこと、心身のケアやお客様との接し方が学べたこと、今の仕事でも接客業の能力が活かせていることなど、自分がやりたい仕事に誠心誠意取り組めているからです。

整体師を1年で辞めて、まったく違う業界に転職することは非常に勇気がいることでした。

しかし、転職して3年目に突入する今、私の仕事を評価してくれる上司もいますし、ちゃんと休み、リフレッシュをして、仕事にものびのびと取り組むことが出来ています。

今、悩んでいるあなたも、悩んでいる時間では何も解決しないと思うので、自分がやりたいことを探してみてはいかがでしょうか。

転職することは悪いことではないので、あなたのビジョンや直観を大切にまずは行動してみることがおすすめです。

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