「子どもが大好きで、子どもの成長を近くで見守りたい!」「あこがれの先生のように私もなりたい!」。そのような思いから、教員を目指された方は多いと感じます。
私は、中学校の担任の先生と大学生の時に学生ボランティアで行った先の小学校の先生の2名にあこがれを持ち教員の道を歩み始めました。
子どもの頃から憧れていた教諭になり、「がんばろう!」と思っていた矢先、私の心と体はぼろぼろになっていきました。同僚からの長時間の叱責、否定が私を蝕んでいきました。
もしかすると、あなたも私と同じように「やりたかった仕事なのに、続けていく自信がない。」と思っていませんか?
教師としての生活に悩んでいるあなたに、私の経験と当時の思いをお話ししたいと思います。少しでも参考になりましたら、幸いです。
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新卒で公立の小学校教員を辞めたくなった理由
同僚による長時間の叱責
私が一番苦しかったのは、同じ学年を担任した同僚との関係です。その同僚は経験年数は豊富で、教育委員会や校長職を経験したことのある先生(以下、A先生とします)でした。
学級開きから2日目。放課後に職員室で仕事をしていました。私は、子どもの学校での素敵な様子を、小さな手紙を通して保護者に伝えたいと考えていました。
その手紙を書いていたところ、A先生が「そんなもの捨てなさい!」と言ってきました。納得のいかなかった私は、「どうしてですか?」と聞きました。
A先生は、「手紙なんてそんな卑怯なことをするな。私は絶対に認めない。」と激昂し始めました。そこから2時間、手紙を書くあなたは卑怯な教員だということで叱責を受けました。職員室には他の先生方もたくさんおられました。
周りの冷めた目の中で2時間叱責されるのは、相当つらいものがありました。その時以外にも、朝の始業前の時間や、放課後に叱責され続ける日々が4月はじめから続いていました。
一方的な指導
初任の先生は、良くも悪くも「指導を受け続けます」。指導教員がついて、その方から指導を受けるのが基本です。私は指導教員に指導を受けた機会はほとんどなく、A先生になぜか指導を受けておりました。
「教育には完全な方法がない」。だからこそ、「多様性」が認められているのが教育です。授業においても様々なスタイルがある中、私の授業の細かいところまで指導を受け続けたことが辛かったです。
大学で学んできたこと、そして教員のサークルの中で学んだでいたことを全否定され、「私のやり方で授業しなさい」と言われました。A先生の授業のスタイルが良いとは到底思えなかったのです。
なぜなら、A先生のクラスが日に日に荒れていったからです。どうして、現在進行形で荒れていっているクラスの授業スタイルを真似しなければならないのでしょうか。私には理解ができませんでした。
なぜ無理矢理にも荒れているクラスのやり方を真似しなければならないのか。そして、それを強制されなければならないのか。納得ができない日が続きました。
「あなたは学校に迷惑かけたいのか!」
叱責をされ続ける中でも、自分の中ではそこまでダメージを受けている感覚はありませんでした。しかし、4月末の金曜日に異変が起こりました。いつもながらに叱責を受ける中、
「あなたは学校に迷惑をかけたいのか!」と言われたことがありました。(この出来事は今でもフラッシュバックすることがあります)
そして、家に帰り、自分の机の椅子に座った後、私は立ち上がれなくなりました。椅子に座ったまま3時間ほど動けなくなったのです。ふと見ると体は震えていて、生まれて初めて心と体が完全に分離している「解離」のような状態を体験しました。
翌週に学校を休んで心療内科に行くことを決意します。
心療内科では「適応障害」と診断されました。学校に診断書を出して休職することに。休職届を学校に提出しに行くことも難しかったため、学校長に近くの駅まで来てもらって、休職届を提出しました。
休職時の面談で復帰を諦めた
休職時、私は学校との連絡を完全に断ち切りたい気持ちが強かったです。しかし、学校としてはそうはいかないことも私の中でわかっていたので、月に一度、教職員が帰った後の夜に、学校で校長との面談を持つことになりました。
面談の内容は、「体調はどうか?」という簡単なものでした。10分程度だったと思います。時間が経つにつれて、メンタル面は快方に向かうかな?と思っていたのですが、そんなことはありませんでした。
面談で学校に行く道はとてもしんどいもので、学校に近づくごとに動悸が激しくなりました。休職から復帰しても、A先生の隣で仕事をすることに変わりはないということを考えると、復帰は遠のいていく一方でした。
この学校に復帰しても環境が変わらないのなら、私にはもう無理だ。と決断し、公立教諭の退職を決めました。
新卒で公立の小学校を辞めて私立の小学校へ転職した理由
- 教員の夢を諦めきれなかった
- 公立と私立の違いを体験してみたかった
- 休職していた際に、転職のエージェントの方に出逢った
公立を挫折しても、「教員」の夢を捨てきれませんでした。
休職しながらも、なんとかして「学校で働きたい!」という気持ちと、公立で働くことへの「恐怖」が心の中で交錯する状態が続きました。
その時に友人に「私立はどうか?」と声をかけてもらいました。「私立学校ってどんなところなのだろう?」という興味を持ち始めて、私立学校の採用を行っているサービスを探し、2学期から募集している学校を見つけました。
休職中に私立学校の方から「退職を決断して、うちに来てくれるなら電話をしてほしい」と声をかけてもらいました。公立の退職を決断した私は、私立で勤務することを決めました。
本当に働けるかどうか不安な部分はありましたが、「教科担任制、空き時間の確保」を約束していただきました。これが大きな復帰の理由になりました。
新卒で小学校の教員を辞めてOKな人、NGな人
退職をする前に考えてほしいことがあります。「自分が後悔しないか?」ということです。自分で「もう辞める!」と決断をしなければ、転職してから後悔するかもしれません。
辞めてはいけない人
- 「しんどい思いをしている」ということをまだ学校に伝えていない人
- なぜやめたいのかはっきりしていない人
- 教室での達成感をまだ感じていない人
上記のいずれかに該当する方は、一度退職を踏みとどまってみてはいかがでしょうか。学校に「しんどい思いをしている」ことを伝えてみたら、業務量の削減や指示系統の変更を学校がしてくれる可能性があります。
学校になかなか話をするのが難しい場合は、教育委員会に話をしてみてもいいかもしれません。
- 自分は今、教職員との関係で悩んでいて辛い思いをしている
- 自分は今、クラスがうまくいっていないのだが、学校からの厳しい叱責・指導に苦しんでいる
など、自分の現状を知ってもらうことで改善することは大いにあります。
なぜ自分はしんどい思いをしているのかがはっきりしない場合は、一度「休職」してみるという選択肢もあります。すぐに退職ではなく、少し休んでみて、「明確に何に自分は苦しんでいるのか」「これからその苦しさを対処する方法はないのか」を検討してみてもよいのではないでしょうか。
公立教員は、休職しても一定額の給与を受けることができます。休みながらでも生活はある程度保証されている身分ですから、それを活かして、ゆっくり考えてほしいと思います。
辞めていい人
- 辞めてから何をするか決まっている人
- 自分が何をしたいのかという思いがある人
- 管理職や教育委員会に自分の思いを伝えた上で、環境の改善が全くなされていない状況にいる人
「公立をきっぱり辞めて、次はこれをする!」と決まっている方は、もう未練なく公立教員をやめていいと思います。
やりたいことが決まっているのに、辞めることを躊躇するのは、時間の浪費です。具体的にどうすれば退職できるのかを考えましょう。
一番の難関は、「学校に退職の意図を伝える」部分だと思います。学校としては、やはり人員の確保という点からも「やめてほしくない」と確実に言われます。
そして、「本当に子どものことを考えた上での決断なのか?」と言われるかもしれません。
それでも、もう辞めると決めているのなら、はっきりと「辞めます」と伝えましょう。周りの協力を借りてでも伝えましょう。辞めると決めているのに、その決断を伝えず、曖昧な状態で続くことが御自身にとっても、学校側にとってもマイナスです。
辞めると伝えれば、代わりの講師を学校側も探し始めることができます。心の内が決まっているのなら、きっぱりと伝えることこそが最善の選択肢だと強く感じました。
新卒で小学校の教員から転職するときのポイント
「しんどい」という思いをまずは伝える
何の前触れもなくやめると学校側もびっくりしますよね。
まずは、正直に「しんどい」と伝えることが大切です。管理職に伝えるのが難しければ、同じ学校の教員や、教育委員会に。直接面と向かって伝えるのが難しければ、電話や手紙でも構わないです。なんとかして自分の現状を伝えてほしいです。
働きながら、もしくは休みながら、転職先を探す
教員は休みながらでも一定の給与をもらえる仕事ですから、それを活かして転職先を決めてほしいです。休みながらお金をいただくことに罪悪感を感じる方もいるかもしれませんが、転職という人生の大きな転機においては、自分を優先してほしいです。
「なぜ辞めるのか」をできるだけ明確にする
転職においては、ここが一番大切な部分かなと思っています。必ず転職に際して聞かれる質問があります。「なぜ辞めたのですか?」という質問です。この質問に答えられないとなかなか転職先が決まらないかもしれません。
「○○のようなことがあり、××のことで退職を決意した。しかし、今は△△のような状態であり、仕事をすることに何の支障もない」とはっきりと伝えることができれば、採用担当の方に好印象をもってもらうこともできます。
退職の意志を伝える
この段階になれば、「きっぱりと」退職を伝えることが大切です。曖昧な言葉だと「休職ではだめなのか?」「とりあえず様子を見ないか?」と引き延ばされるのが目に見えています。
退職を伝えたら怒られるのではないか?という心配もありますよね。その際は、自分の味方になってくれる人に手伝ってもらいましょう。私は退職の意図を伝える面談の際に、学校の近くまで友人に来てもらいました。
「なにかあったら連絡するから」と伝えて待機してもらっていました。弁護士に電話したこともあります。退職は意志を伝えれば、誰にでも認められている権利ですから、その権利を自由に使ってほしいです。
新任教師を辞めたいあなたに最後に伝えたいこと
本当にやめて後悔しませんか?
心の中に問いかけてほしいと思います。後悔するかも?と引っかかる部分があるとしたら、それは何でしょうか。
もし、後悔するかも?という思いが消えないのであれば、もしかすると今は辞め時ではないかもしれません。
やめる理由は明確ですか?
転職先で「なぜやめたのですか?」という部分は確実に聞かれます。理由を明確にする作業が転職においては一番大切な部分です。
- なぜやめたのか
- なぜ転職の道を選んだのか
- 転職先ではやっていけるのか
を出来る限り明確にしてほしいです。
心に決めたのなら行動しましょう
もう心を決めたあなたは、次の道をどんどん進んでいきましょう。辞めたことで学校に迷惑がかかることに囚われていたら前に進めません。
自分の人生は自分で選択するものです。あなたの道を応援してくれる人たちが、あなたの一歩待っていますよ。
まとめ
私は公立教諭を新卒でやめたことに、今は後悔をしておりません。転職先の私立学校で出会った先生方は温かい方ばかりで楽しく教員生活を送ることができています。
今、あなたがいる学校は日本にある数万校の中の1校に過ぎません。そこで苦しんでいるから・悩んでいるからといって、「教師としての資質がない」「教師に向いてない」などということは全くありません。
ましてや、「社会人として不適格だ」などと思う必要もありません。
退職するも、休職するも自分の自由です。転職することが正解だとか、今の職場に留まることが正解だとか、正解を求めるのではなく、自分で「決断」することこそが未来を切り開いていきますよ。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし今の仕事に不満があるなら、ミイダスを使い転職できるかを確かめてください。
診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業で新卒で転職した先輩の転職先も調べることができます。
(診断時間は約5分です)
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