新卒で添乗員の仕事を辞めたい…嫌な客もおり辛い・ストレスだらけの毎日でした

新卒で添乗員を辞めたい

「旅行するのが大好き」、「旅行を通してお客様を笑顔にしたい」。そう考えて旅行業界を目指した方は多いのではないでしょうか。お客様に一番近くで寄り添うことができるのが添乗員です。団体旅行をとりまとめるためには、添乗員がいなければツアーは成り立たちませんよね。

私は大学卒業後、国内バス・新幹線ツアーを添乗していました。もともと旅行が趣味で、就職するにあたってお金を頂きながら旅行ができるなんて最高な仕事だ!と思っていました。1年間勤めましたが、考えが甘かったと思い知ることが多くありました。

もしかすると、昔の私と同じように「やりがいのある仕事だけど、続けていく自信がない」と悩んでいませんか?

この記事を読んでくださっているあなたは、おそらく転職を考えておられるのでしょう。そんなつらい気持ちを抱えているあなたに、私の転職活動経験についてお話したいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

目次
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新卒でツアーコンダクターを辞めたくなった理由

初対面の人と毎日仕事をし続けなければいけない

たった1日で、お客様と信頼関係を築くのはとても難しいことですよね。

毎日顔を合わせて仕事をするならば、相手がどんな人なのか徐々に分かってきますし、たとえミスをしても挽回する機会もきっとあることでしょう。しかし、添乗員は短いと半日しかないので、1回のミスで関係が壊れてしまい、取り返しのつかないクレームに繋がってしまいます。

しかも1対1ではなく、添乗員1人対40人前後のお客様という空間でツアーが進んでいくので、相当アンテナを張っていないとお客様の小さな変化に気づくことができません。難しいことですよね。お客様の不満を解消しながら、笑顔を絶やさず接客するのは気疲れしますし、身体に力が入るので常に肩こりや腰痛に悩まされていました。
 
毎日が40人と初めましての関係だったので、気疲れと人間疲れしていたのだと思います。また明日ね、といって退社して、同じ顔ぶれで働ける環境への安心感が羨ましく感じていました。

仕事中に頼れる仲間がいない

バスは陸の孤島のようなものです。行程を進めるなかで困ったことが起きたとき、頼れるのはバスの運転手くらいですが、必ずしも協力的な人とは限りません。

ツアーの企画者に電話で指示を仰ぐこともありましたが、休日だと繋がらないことも沢山ありました。

渋滞で観光地に遅れるだとか、車内で食べるお弁当が1つ足りないだとか、現場で臨機応変に判断して対応しなければいけないことが多々あって、旅行を引率する責任者という立場は、新卒の身には非常に重たく感じました。

人気のツアーは2台以上のバスで先輩とチームを組むこともありますが、マイナーな場所に添乗員1人で行くツアーは本当に不安だらけでした。私も初めて行く場所なので、こっちが案内して欲しいくらいだよー!と思ったことも何度もあります。

添乗員は実践あるのみで、添乗に出れば出るほど行ったことのある場所が増えていって、やっと自信をもって案内できるようになります。経験と知識を積み重ねていくしかないのが辛いところですね。

頭で考えたり、調べて解決することばかりであればいいですが、やはりすぐ近くに頼れる同僚がいる方が安心して仕事に取り組めると思っていました。

紙一枚で仕事の評価をされてしまう

ツアーの最後に配布するアンケートに、添乗員の採点という項目がありました。

上司がツアーに同行することはまず無いので、紙面上で1~5の数値としてお客さんに私自身を評価されるのが毎回プレッシャーでした。ほとんどが感謝のメッセージですが、心無い言葉を書かれたこともあります。

そんなつもりで発した言葉ではないのに誤解されてしまったなぁ…というモヤモヤが数日間心に残って、次の日のツアーのお客様に会うのが怖くなったこともありました。
 

団体客をまとめあげるのが難しい

これは私の体験談なのですが、1人のお客様にとても嫌な思いをさせてしまったことがあります。

とある神社に行くツアーだったのですが、その日はかなり込み合っていました。神社専属のガイドさんが境内を案内してくださって、お守りを買える場所で少しだけ時間をとることになりました。

そろそろ移動する旨を私からも大声で呼びかけ、最後尾を歩いていたつもりでしたが、その時にはすでにツアー参加者の1人とはぐれてしまっていました。自由時間になり解散した頃にはぐれた方がやっと私を見つけて、いきなり怒鳴られました。

移動時に確認不足なこと、はぐれて不安だったこと、楽しみにしていた旅行が台無しになったこと、色々指摘されました。最後には、一生あなたの顔を見たくない。今すぐ私の前からいなくなってほしい、などと言われました。

旅行は一生忘れられない素敵な思い出ができますが、期待していた分、逆に嫌なことがあれば思い出を一瞬で壊してしまうこともありえます。何年か経った今でも、お客さんがその場所を思い出すのも嫌だろうと思うと申し訳ない気持ちがある一方で、自分の存在を全否定されたことが深く私の傷になりました。

旅行は人生で何度もするかとは思いますが、例えば誕生日とか、結婚記念日とか、特別な気持ちで参加している人もいるので、お客様に一番近くで寄り添うための添乗員は「楽しませたい」という気持ちだけではやっていけないなと痛感しました。

給料と勤務内容が割に合わない

お給料は日帰りツアー8000円、1泊2日16000円くらいの相場でした。勤務時間は、日帰りのときは朝6時前に自宅を出て、夜9時に帰宅することも多くありました。

宿泊のときは旅館に早く到着すれば16時に終わることもありましたが、日帰りが連続すると時給換算したときに安すぎるなぁと思っていました。

昇給は、アンケートがどれだけ良くても上がることはなく、コロナウイルスのような感染症でツアーがキャンセルになっても自営業扱いなので保険も保証もありませんでした。社会的な立場の不安定さは常に感じていました。

セクハラや男女の噂が多い業界である

これまで色々なことがあってもなんとか踏みとどまってきましたが、最終的に本気で辞めたいと思った原因がこれです。

バスの運転手は9割以上が男性です。添乗員は7割ほど女性かな?という印象ですが、運転手はお気に入りの子と、そうでない子でずいぶん対応が変わるようでした。

宿泊ツアーの時には、夜お酒でも飲まない?と部屋に誘われたり、もっと分かりやすく口説かれたりしました。丁寧に断っても次の日の態度がそっけなく、やり辛く感じることもありました。

正直、女として腹立たしくなりますよね?夜のお店の子じゃないのに!と怒ってもいいのでしょうが、なかなか強くは言えませんよね。

添乗員の間でもあることないこと噂が広まって、心底面倒くさいと思ってしまいました。

業務中に連絡をとるために電話番号等を交換しないといけないのですが、会社から携帯は支給されないので個人情報を教えなければいけなかったり、それをきっかけにSNSの申請も来たりして、プライベートと仕事を分けられない事にすごく抵抗がありました。

新卒で添乗員を辞めて不動産営業職に転職した理由

お客様との関係性がゆっくりと築けるから

添乗員の仕事は、どれだけお客様と意気投合しても、感謝されても、ツアーが終わればもう一生会えないことがほとんどで、寂しく思うこともありました。

そんな短い関係の連続で気疲れや人間疲れするくらいなら、仕事相手と長く関係を築いていきたいなと考えるようになったのです。

不動産営業職の中でも、私はマンションの管理部門に就職しました。マンションのオーナー様と連携してどうやったら入居率があがるのか話し合ったり、部署の先輩にリフォームや設備の修理方法を教わったりする毎日は、長く関係を築いていけている実感が強くありました。

仕事内容が分からなくても、近くにいる先輩に聞けるんだ!というだけで添乗員と大きく違うので感動しましたよ。

衣食住に関わる仕事なら無くなることはないと思ったから

旅行は娯楽なので、不景気になればダイレクトに仕事が減ります。その点、衣食住に関わる職種ならば「無いと生きられない」ので、自分が食に困ることはないかなと思って選びました。

派遣社員ではなく正社員としての採用だったから

添乗員のほとんどは、派遣社員ではないでしょうか?これを読んでくださってるあなたも、正社員ではないかもしれませんね。

先ほども述べましたが、個人事業主扱いだと健康保険も自分で入らないといけないし、いざというときに会社に守ってもらえません。

ボーナスも無いし、福利厚生なんてもってのほか。正社員と同じくらい働いているのに、お給料も少なめ…。このまま添乗員として長く働いていても昇給もないし、結婚や子育てなどのライフプランを考えたときに突然不安になってしまいました。

確かに色々な場所に行けるし、美味しいご飯も食べられるけれど、誰かを守っていく立場になったときにやっていけるかなぁと思ったら、やっぱり正社員になりたいなぁと思って転職先を決めました。

転職してみて、大きく生活は変わりました。個人的には、転職してよかった!と思いましたよ。社会的に守ってもらえる環境、頼れる仕事仲間がすぐ近くにいる、毎日自宅に帰ることができる、それだけでストレスの大部分が減りました。

新卒で添乗員を辞めてOKな人、NGな人

すぐにでも辞めたい!今の仕事から解放されたい!そう思って読んでくださってるかもしれませんが、ちょっとだけ冷静になって「辞める前に考えておきたいこと」を押さえていきましょう。辞めてしまったら後戻りできないこともありますからね。

辞めてはいけない人

  • 添乗を始めて3ヶ月未満の人
  • 次にやりたいことが見つかっていない人
  • 添乗員をやってみて、これだけは自信をもって頑張った!と言えるものがない人

上記に該当する場合は、転職のタイミングを延期することをオススメします。理由は、次の会社の面接で、あなたがどんな人なのか理解してもらうのに不利になるからです。

添乗員になって3か月未満の人は、そもそも添乗に慣れていない場合が多いと思います。仕事の進め方、要領が掴めていないから仕事が上手くいかない上に、お手本となる先輩の仕事を見る機会が全くないのが添乗員の困るポイントではないでしょうか。

勇気を出して、先輩に仕事のやり方を聞いてみましょう。頭の中でシミュレーションをして、行程の中でどのタイミングで何を準備しておかなければいけないのか。

当日上手くいくかどうかは、準備段階で決まっていることが多いですよ。

辞めたい気持ちが先走って、次にやりたいことが見つかっていないのに退職してしまうと、次の会社に就職するまでに収入が長期間途切れてしまう可能性があります。やりたくない仕事に就いてもモチベーションが上がらなかったり、不満が溜まってしまい、長続きしない原因となってしまうでしょう。

退職すれば履歴書に書く会社がどんどん増えて、仕事が長続きしない子なんじゃないか?と面接で判断されてしまいます。そうすると、本当にやりたいことが見つかったときにチャンスを逃してしまうかもしれません。

仕事と転職活動の両立をするのは時間の制約が大きくて大変かと思いますが、未来の自分のために何とか踏ん張りながら、次にやりたいことを見つけてから転職するようにしましょう。

今やっている仕事の中で、他の人には負けないこだわりを持って取り組んでいることはありますか?例えば、誰よりも明るい大きな声で朝の挨拶をする、物を渡すときにお客さんの目線に合わせてしゃがんで丁寧に渡すなど、どんな小さいことでも大丈夫です。

それを毎日続ければ、あなたの大きな強みになりますよ。就職活動をする上で自己PRをすることは避けられません。

これだけはやり通した!と言えるものが1つでもあれば自信を持って強みとしてアピールできますから、面接官にも良い印象を与えますよね。この子ならうちの会社でも頑張ってくれそうだと思わせられたら、あなたの勝ちです。

辞めていい人

  • 添乗員として、仕事をやりきったと言える人
  • どうしてもやりたい目標が見つかった人
  • 仕事のことを考えるとメンタルが不安定になる人

添乗員の仕事はとても刺激的ですが、もうやりきったなぁと思えたら辞めてもいいと個人的には思います。やりきったという事はあなたのスキルは充分備わっていて、その経験を活かして他の仕事でも力を発揮して活躍できることでしょう。

今の仕事も楽しいけれども違う仕事が気になって仕方なくて、いま挑戦しないと人生後悔するなぁと思う人も、是非チャレンジした方がいいと思います。人生一度きりですから、諦めてしまうのはもったいないですよ。

逆に、今の仕事が嫌で嫌で、誰かと話すのも辛い、仕事のことを考えるとネガティヴになってしまって好きなことすらやりたくなくなる…こういった状態になったら心が危険信号を出しています。

私はこのパターンで、世界がモノクロに見えるほど心が疲れていたんだなぁと転職してから気づきました。学校を卒業してからの生き方は、誰も教えてくれません。どう生きるかは自分で決めたらいいんです。

自分は一人しかいないので、自分で守ってあげましょう。人生何度だってやり直せますから、どうにもこうにも心をコントロールできなくなったら1回休むのは全然ありですよ。

添乗員からのおすすめ転職先

旅行業界の事務職

実際に現地に出ていた添乗員だからこそ知っている情報は沢山あります。打ち合わせから精算までやり方も全部分かっているからこそ、裏方のスタッフとして活躍している人が知り合いでも何人かいました。

あなたの経験と知識で、いま現場に出ている添乗員を支えてあげることができます。所属事務所からの評価がよければ異動させてもらえるチャンスはありますし、もしそれができたならあなたの努力が報われる瞬間になるかと思います。

観光スポットで働く

観光地、旅館、食堂、お土産屋さんなど、あなたが添乗した中でお気に入りの場所や、記憶に残っているスポットはありませんか?いっそのこと転職の際に、違う都道府県に引っ越して心機一転するのもアリだと思います。

現地のスタッフさんにこうやって動いてほしいなぁという添乗員の要望が、あなたが添乗員だったからこそ心底理解できますよね。

好きを突き詰めてその土地に特化した仕事をすれば、添乗員のときには見えなかった新たな発見もあるかもしれません。

添乗員から別の接客業へ

添乗員のときに培われたコミュニケーション能力は、対人関係がある業界で大きな強みとなります。表情や動きで相手がどう考えているのか読み取る力はちょっとやそっとじゃ身に付かないので、転職活動の際にもどんどんアピールしましょう。

特にお客様はシニア層が多いので福祉業界で役に立つでしょうし、細部にまで気が回ることから危機管理にも長けているので動き回る子供たちを守る保育士等も向いていると思います。

接客業はアパレル、飲食、営業職など数えきれないほどあるので、あなた自身が興味のあるジャンルに挑戦してみるとさらに意欲的に働くことができるでしょう。

新卒で添乗員から転職するときのポイント

退職に向けて会社の規約を確認する

すぐに退職したい!と思っても、辞めるにはそれなりに手続きが必要です。

まずは、何か月前までに退職願を提出しないといけないのか、消化できる有給はどれだけあるのか、退職金はもらえるのか、どれくらいのお金があれば何か月生活できるのか?などを、自分で計算していかねばなりません。

調べていないと、損することもありますからね。自分の権利は自分で守りましょう。

退職する前に、転職先を見つける

ある程度退職の見通しがついたら、できれば収入があるうちに転職先をみつけましょう。転職先が見つかる前に辞めてしまうと、家賃支払いが滞ったり、食費を切り詰めたり、不自由することになります。

履歴書を提出してから、面接を数回行い、採用通知がくるまで2か月以上かかることもザラにあります。また、採用通知がきてから勤務開始日まで先方の都合によってさらに日数がかかることもあるので、念頭に置いておいてください。

転職先を探す方法は、ハローワークに行ったり、転職エージェントに登録したり、技術系であれば直接志願しに行ったり、様々な方法があります。

転職エージェントは採用した会社側が費用を負担してくれるので、自費は必要ないですよ。あなたが無理しないような向いているやり方でいいと思います。

やり残した仕事がないかの確認と挨拶

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、任された仕事をやり残していないかきちんと確認しましょう。添乗員はお客様の個人情報を扱うことが多いですから書類を返却しているか、未精算のツアーがないか、チェックしましょう。

一般の会社と違ってツアー単位で担当者に任されるので、後任への引継ぎがないのはメリットかもしれませんね。退職届を出して、名札等を返却して、お世話になった所属事務所のスタッフや、添乗員の同僚に可能ならば挨拶・連絡をしましょう。

もしかして再度添乗員として仕事をすることも100%ないとは言えませんし、次の仕事で偶然関わることもあるかもしれません。

意外と世間は狭いです。親しき中にも礼儀あり、きちんと添乗員としての仕事を全うすれば、相手もあなたの次の会社での活躍を応援してくれると思いますよ。

まとめ

私は添乗員を辞めて、転職して、気持ちが晴れやかになりました。無理をしていたけれど、なかなか濃い1年間を過ごして人間として成長できたかなぁと今なら思えます。

あなたがこの先の長い人生で、1番大切にしたいことは何でしょうか?

自分の趣味、家族との時間、ひた向きになれる仕事、それぞれに価値があることは違うと思います。添乗員をしながら1番大切にしたいことを達成できるなら今のままでも良いかもしれませんが、もし悩んだり我慢しているのならば転職に一歩踏み出してみてもいいと思います。

あなたの人生の主人公は、あなた自身です。他の誰にも歩めません。あなたが今よりも幸せだと思える人生を送れるよう、私も願っています。

私の経験が、少しでもあなたの決断の参考になれば嬉しいです。

まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?

もし今の仕事に不満があるなら、ミイダスを使い転職できるかを確かめてください。

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